お花券のお悔やみの渡し方|失礼にならない基本マナーを解説
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この度はご愁傷様です。

突然の訃報に接し、どのように弔意を示せばよいか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

香典をお渡しするのが一般的ですが、最近ではご遺族の意向で香典を辞退されるケースも増えています。

そのような際に選択肢の一つとなるのが、お花券です。

しかし、いざお花券を贈るとなると、お花券のお悔やみの渡し方について、タイミングや金額の相場、宗教による違いなど、分からないことも多いかもしれません。

また、香典の代わりに贈る際のマナーや、表書きの書き方、郵送で送る場合の注意点、そしてどのようなメッセージを添えればよいのか、具体的な文例も知りたいところでしょう。

この記事では、そうしたお悩みを解決するために、お花券のお悔やみの渡し方に関するあらゆる疑問について、網羅的に解説していきます。

供花選びのポイントからお返しに関する知識まで、この記事を読めば、安心して弔意を伝えられるようになります。

この記事でわかること
  • ➤お花券を香典代わりに贈る際のマナー
  • ➤お悔やみでお花券を渡す最適なタイミング
  • ➤宗教ごとの渡し方の違いと注意点
  • ➤正しい表書きの書き方とペン選び
  • ➤心遣いが伝わるメッセージの文例
  • ➤郵送する場合の具体的な手順とマナー
  • ➤関係性に応じたお花券の金額相場

基本的なお花券のお悔やみの渡し方とマナー

この章のポイント
  • ➤香典の代わりに贈る際の注意点
  • ➤お花券を渡すタイミングはいつが良いか
  • ➤宗教によって異なる場合があるのか
  • ➤表書きはどのように書けばよいか
  • ➤添えるメッセージの文例

香典の代わりに贈る際の注意点

お悔やみの気持ちを示す方法として、香典をお渡しするのが一般的です。

しかし、近年ではご遺族の負担を考慮し、香典を辞退されるケースが少なくありません。

そのような状況で弔意を伝えたい場合に、お花券は非常に有効な選択肢となります。

ご遺族が好きなタイミングで、故人を偲ぶお花を選べるという心遣いができるからです。

ただし、香典の代わりにお花券を贈る際には、いくつか注意すべき点が存在します。

まず最も重要なのは、ご遺族の意向を尊重することです。

香典だけでなく、供物や供花を含めた一切の弔意の品を辞退されている場合もあります。

その場合は、お花券を贈ることも控えるのがマナーでしょう。

事前に訃報の連絡や葬儀の案内状などをよく確認し、辞退の意向が示されていないかを確認することが大切です。

もし判断に迷う場合は、無理に贈るのではなく、後日弔問に伺う際に様子をみたり、親しい方に相談したりするほうが賢明かもしれません。

次に、お花券をお渡しする際には、現金と同様に不祝儀袋に包むのが丁寧な作法です。

たとえお花券であっても、そのまま手渡しするのはマナー違反にあたります。

不祝儀袋の選び方や表書きについては後の項目で詳しく解説しますが、適切なものを選び、心を込めて準備しましょう。

また、香典返し(返礼品)についてのご遺族の負担を増やさないための配慮も必要です。

お花券をお渡しすることで、ご遺族が「お返しをしなければ」と感じてしまう可能性があります。

そのため、高額すぎるお花券は避けるのが無難です。

メッセージを添える際に「お返しのお心遣いはご不要です」といった一文を書き加えるのも、相手を思いやる一つの方法と言えるでしょう。

あくまでも、ご遺族を困らせず、故人を偲ぶ気持ちを穏やかに伝えることが、お花券のお悔やみの渡し方における基本姿勢です。

お花券を渡すタイミングはいつが良いか

お花券のお悔やみの渡し方において、タイミングは非常に重要です。

適切な時期を逃すと、かえってご遺族に負担をかけてしまう可能性があるため、慎重に判断する必要があります。

お花券を渡すタイミングは、大きく分けて3つ考えられます。

通夜・告別式に持参する場合

香典の代わりとしてお渡しする場合、通夜または告別式の受付で渡すのが最も一般的です。

この場合、香典と同じように不祝儀袋に入れ、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。

受付で「この度はご愁傷様でございます」とお悔やみの言葉を述べた後、「御香典はご辞退されていらっしゃると伺いましたので、心ばかりですがお花代でございます」と一言添えてお渡しすると、ご遺族の意向を汲んだ上での行動であることが伝わりやすくなります。

ただし、ご遺族は非常に慌ただしくされているため、長々と話し込むのは避け、簡潔に済ませる配慮が求められます。

後日弔問する際に渡す場合

葬儀に参列できなかった場合や、葬儀後に訃報を知った場合は、後日ご自宅へ弔問に伺う際にお渡しします。

弔問に伺う際は、必ず事前にご遺族の都合を確認し、長居はしないように心掛けましょう。

玄関先でお渡しするのが基本ですが、家に上がるよう勧められた場合は、仏壇にお参りさせていただいた後、改めてお渡しするのが丁寧です。

その際も、「心ばかりですが、御仏前にお供えください」などの言葉を添えるとよいでしょう。

四十九日を過ぎている場合は、表書きが変わる点にも注意が必要です。

郵送する場合

遠方にお住まいであったり、どうしても弔問に伺う都合がつかなかったりする場合には、郵送という方法もあります。

郵送するタイミングとしては、葬儀が終わってから一週間後くらいを目安に、ご遺族が少し落ち着かれた頃合いを見計らうのが望ましいでしょう。

葬儀直後はさまざまな手続きや対応で大変忙しくされているため、その時期に届くのは避けるのが思いやりです。

郵送する際は、お花券を不祝儀袋に入れ、現金書留で送るのがマナーです。

その際には、必ずお悔やみの気持ちを綴った手紙を同封しましょう。

手紙を添えることで、直接お会いできない中でも、故人を悼む気持ちがより深く伝わります。

宗教によって異なる場合があるのか

お花券のお悔やみの渡し方を考える上で、故人やご遺族の宗教・宗派への配慮は欠かせません。

宗教によって死生観や弔いの形式が異なるため、それに合わせた対応が求められます。

特に注意が必要なのは、キリスト教と神道の場合です。

仏式の場合

仏式の場合、お花をお供えする習慣が一般的であるため、お花券をお渡しすることに特に問題はありません。

ただし、浄土真宗など一部の宗派では、供花は色花を避けるといった考え方があることも心に留めておくとよいでしょう。

最も大きな違いが現れるのは、不祝儀袋の表書きです。

一般的に、四十九日までは「御霊前」を使用しますが、浄土真宗では亡くなってすぐに仏様になる(即身成仏)という教えから、通夜・葬儀の時点から「御仏前」を使用します。

もし宗派が分からない場合は、「御花料」や「御花代」という表書きを使うのが最も無難であり、どの宗派に対しても失礼にあたりません。

キリスト教の場合

キリスト教では、そもそも香典という習慣がありません。

そのため、不祝儀袋の表書きは「御花料」とするのが一般的です。

「御霊前」という言葉は仏教用語なので使用を避けます。

また、キリスト教ではお花を贈る習慣はありますが、自宅ではなく教会での葬儀が多いため、直接教会に供花が届けられることもあります。

お花券であれば、ご遺族が後日、ご自宅用や墓前用のお花を選ぶことができるため、喜ばれることが多いでしょう。

不祝儀袋は、白無地か、十字架や百合の花が描かれた専用のものを使用します。

蓮の花が描かれたものは仏式用なので、間違えないように注意が必要です。

神道の場合

神道(神式)の葬儀は「神葬祭」と呼ばれます。

神道でもお花をお供えすることはありますが、仏式の「供花」とは区別され、「榊(さかき)」が用いられることも多いです。

お花券をお渡しすること自体は問題ありません。

神道の場合の表書きは、「御玉串料(おたまぐしりょう)」や「御榊料(おさかきりょう)」が正式ですが、「御霊前」も使用できます。

ただし、「御仏前」や「供養」といった仏教用語は使わないように気を付けましょう。

キリスト教と同様に、蓮の花がデザインされた不祝儀袋は避けるのがマナーです。

このように、宗教によって細かな作法が異なります。

もし故人の宗教が分からない場合は、どの宗教にも対応できる「御花料」を表書きとして使用するのが最も安全な選択と言えます。

表書きはどのように書けばよいか

不祝儀袋の表書きは、弔意を示す上で非常に重要な部分です。

お花券のお悔やみの渡し方においても、正しい知識を持って丁寧に書くことが求められます。

表書きは、薄墨の筆ペンまたは毛筆で書くのが正式なマナーです。

薄墨を使う理由には、「涙で墨が薄まってしまった」「急なことで墨を十分に磨る時間がなかった」といった、悲しみを表現する意味が込められています。

もし薄墨の筆ペンが用意できない場合は、通常の黒い筆ペンやサインペンでも構いませんが、ボールペンや万年筆の使用は避けましょう。

表書きの書き方には、いくつかのポイントがあります。

  • 水引の上段中央に名目を書く
  • 水引の下段中央に氏名を書く
  • 文字は楷書で丁寧に書く

名目の書き方

水引の上段中央には、「御霊前」「御仏前」「御花料」などの名目を書きます。

前述の通り、宗教によって使える名目が異なります。

  1. 仏式(宗派不明):御霊前(四十九日まで)、御仏前(四十九日以降)
  2. 仏式(浄土真宗):御仏前
  3. キリスト教式:御花料
  4. 神式:御霊前、御玉串料

もし宗教が全く分からない場合は、「御花料」または「お花代」と書くのが最も無難です。

これらは宗教を問わずに使用できるため、相手に失礼な印象を与える心配がありません。

氏名の書き方

水引の下段中央には、名目よりも少し小さめの文字で、自分のフルネームを書きます。

複数人でお金を出し合って贈る場合は、書き方にいくつかのパターンがあります。

  • 夫婦の場合:中央に夫の氏名を書き、その左側に妻の名前のみを書きます。
  • 3名までの連名の場合:右から目上の人の順に氏名を並べて書きます。友人同士など序列がない場合は、五十音順で書くとよいでしょう。
  • 4名以上の場合:代表者の氏名を中央に書き、その左側に「外一同(他一同)」と少し小さく書きます。そして、全員の氏名、住所、包んだ金額を記載した別紙(中袋や奉書紙)を同封するのがマナーです。会社や部署など団体で贈る場合は、「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇」や「〇〇部一同」のように記します。

どのような場合でも、誰からいただいたものかをご遺族がすぐに把握できるように配慮することが大切です。

中袋(中包み)がある場合は、その表面に包んだお花券の金額を、裏面には自分の住所と氏名を書くことを忘れないようにしましょう。

添えるメッセージの文例

お花券を郵送する場合や、直接お渡しする際に一言添えたい場合、どのような言葉を選べばよいか迷うこともあるでしょう。

お悔やみのメッセージは、故人を悼む気持ちとご遺族を気遣う気持ちを簡潔に伝えることが基本です。

長文である必要はありません。

心を込めて、丁寧な言葉で綴ることが何よりも大切です。

メッセージを書く際には、いくつか注意点があります。

まず、「忌み言葉」を使わないように気を付けましょう。

忌み言葉とは、不幸が重なることや死を直接的に連想させる言葉のことです。

例えば、「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」といった重ね言葉や、「死亡」「急死」などの直接的な表現、「苦しむ」「迷う」といった不吉な言葉は避けるべきです。

また、時候の挨拶は不要です。

すぐに本題から書き始めます。

以下に、状況別のメッセージ文例をいくつかご紹介します。

親しい友人のご家族へ贈る場合

「〇〇(故人様)様の突然の悲報に接し、ただただ驚いております。

ご家族の皆様のお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。

心ばかりですが、お花代を同封いたしました。

御霊前にお供えいただければ幸いです。

なお、お返しのお心遣いはご不要です。

今は大変な時期だと思いますが、どうぞご無理なさらないでください。」

会社の同僚・上司のご家族へ贈る場合

「〇〇様(ご遺族様)

この度は、〇〇(故人様)様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

ご生前の朗らかなお姿ばかりが目に浮かび、今も信じられない気持ちでおります。

本来であればすぐにでも駆けつけたいところですが、やむを得ぬ事情によりお伺いできず、誠に申し訳ございません。

心ばかりではございますが、御花料を同封いたしましたので、御霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。

ご家族の皆様におかれましても、どうかご自愛ください。」

香典を辞退された方へ贈る場合

「この度は、心よりお悔やみ申し上げます。

御香典ご辞退とのことでございましたので、心ばかりですが、皆様でお好きなお花をお選びいただければと思い、お花券をお贈りさせていただきます。

〇〇様(故人様)の安らかな旅立ちを、心よりお祈りしております。

これらの文例を参考に、ご自身の言葉で故人への想いやご遺族への気遣いを表現してみてください。

手書きで、丁寧な字で書くことが、より一層気持ちを伝えることにつながります。

状況に応じたお花券のお悔やみの渡し方の注意点

この章のポイント
  • ➤郵送で贈る際のマナー
  • ➤お花券の金額はいくらが適切か
  • ➤お花券以外の選択肢について
  • ➤お花券の選び方と贈り方のポイント
  • ➤お花券のお悔やみの渡し方の総まとめ

郵送で贈る際のマナー

遠方に住んでいる、体調が優れない、あるいは仕事の都合がつかないなど、様々な理由で通夜や告別式に参列できず、弔問にも伺えない場合があります。

そのような場合、お花券を郵送で贈ることで弔意を伝えることができます。

しかし、郵送には特有のマナーがあるため、失礼のないように手順をしっかりと理解しておく必要があります。

まず最も重要な点は、お花券は現金と同様の扱いとなるため、必ず「現金書留」で送るということです。

普通郵便や宅配便で送ることは、郵便法に違反するだけでなく、万が一の紛失時に補償が受けられないため絶対に避けてください。

現金書留は、郵便局の窓口でのみ手続きが可能です。

次に、お花券をそのまま現金書留の封筒に入れるのではなく、必ず不祝儀袋に納めます。

不祝儀袋の表書きや氏名の書き方は、直接手渡しする場合と同様です。

宗教や宗派が不明な場合は、「御花料」と記載するのが最も無難でしょう。

そして、郵送で贈る際に欠かせないのが、お悔やみの気持ちを伝える手紙(添え状)です。

お花券だけを送りつけるのは、非常に事務的で冷たい印象を与えかねません。

手紙には、以下の内容を盛り込むと気持ちが伝わりやすくなります。

  • 故人の訃報に接した際の驚きや悲しみの気持ち
  • 葬儀に参列できなかったことへのお詫び
  • 故人との思い出や人柄を偲ぶ言葉
  • ご遺族の健康を気遣う言葉
  • お花券を同封した旨とその目的(御霊前にお供えいただきたいなど)

手紙は、白い無地の便箋に、薄墨の筆ペンか万年筆(黒インク)で書くのが丁寧です。

一枚に収めるのが良いとされていますが、想いが溢れる場合は二枚になっても構いません。

最後に、送るタイミングも重要です。

訃報を受けてすぐではなく、葬儀から数日後、ご遺族が少し落ち着きを取り戻すであろう時期を見計らって送るのが心遣いです。

葬儀後1週間から1ヶ月以内を目安にするとよいでしょう。

これらのマナーを守ることで、直接お会いできなくても、故人を悼む深い気持ちとご遺族への温かい配慮を伝えることができます。

お花券の金額はいくらが適切か

お花券のお悔やみの渡し方を考える際、多くの方が悩むのが金額の相場でしょう。

金額は、故人との関係性の深さや、ご自身の年齢、社会的立場などによって変動します。

香典の相場を参考にしつつ、ご遺族に過度な負担をかけない範囲で決めることが大切です。

一般的に、香典の金額は「4」や「9」といった死や苦を連想させる数字を避けるのがマナーです。

お花券は500円券や1,000円券が多いため、合計金額の調整は比較的しやすいですが、この慣習は念頭に置いておきましょう。

以下に、故人との関係性別による金額の目安をまとめました。

故人との関係性 金額の目安
30,000円 ~ 100,000円
兄弟・姉妹 30,000円 ~ 50,000円
祖父母 10,000円 ~ 30,000円
その他の親族 5,000円 ~ 20,000円
友人・知人 3,000円 ~ 10,000円
会社の同僚 3,000円 ~ 10,000円
会社の上司 5,000円 ~ 10,000円
会社の部下 5,000円 ~ 10,000円
隣人・近所の方 3,000円 ~ 5,000円

この表はあくまで一般的な目安です。

例えば、特に親しい友人であったり、大変お世話になった上司であったりする場合には、相場よりも少し多めに包むこともあります。

逆に、ご自身の年齢が20代など若い場合は、相場の下限に近い金額でも失礼にはあたりません。

重要なのは、無理のない範囲で、弔意を金額という形に表すことです。

また、香典を辞退されているご遺族へ贈る場合は、あまり高額なお花券は避けた方が賢明です。

高額すぎると、香典辞退の意向を無視したと受け取られたり、ご遺族に返礼品の心配をさせてしまったりする可能性があるからです。

このような場合は、相場の範囲内か、やや控えめの金額に留めておくのが、相手を思いやるマナーと言えるでしょう。

最終的には、これまでの故人との関係性を振り返り、感謝の気持ちを込めて金額を決定することが、最も大切なことです。

お花券以外の選択肢について

香典を辞退された場合、お花券は非常に優れた選択肢ですが、他にも弔意を示す方法はいくつか存在します。

状況やご遺族との関係性によっては、お花券以外のものが適している場合もあります。

お花券のお悔やみの渡し方と合わせて、他の選択肢も知っておくことで、より柔軟で心のこもった対応が可能になります。

供花(きょうか・くげ)を贈る

供花は、故人に供えるお花のことで、祭壇の周りを飾るために贈られます。

葬儀社や斎場に直接依頼することが多く、統一感を出すために他の供花と合わせて手配してくれるのが一般的です。

香典は辞退でも供花は受け付けているケースもあるため、事前に葬儀社に確認してみるとよいでしょう。

ただし、供花は1基あたり15,000円から30,000円程度と、比較的高額になる傾向があります。

また、斎場のスペースの都合やご遺族の意向で、供花も辞退されている場合もあるため、事前の確認は必須です。

線香やろうそくを贈る

お花券よりも少し実用的な贈り物として、質の良いお線香や絵柄の美しいろうそくなども考えられます。

これらは「消えもの」であるため、ご遺族の負担になりにくく、日々の供養に使っていただけるという利点があります。

特に、煙の少ないタイプのお線香や、リラックス効果のある香りのものは近年人気があります。

後日弔問に伺う際に、手土産として持参するのに適しています。

価格帯も幅広く、数千円から選べるため、予算に合わせて調整しやすいのも魅力です。

故人が好きだったお菓子や果物を贈る

日持ちのする個包装のお菓子や、季節の果物などもお供え物として喜ばれます。

故人の好物を知っている場合は、それを選ぶと「故人のことを想って選んでくれた」という気持ちが伝わりやすいでしょう。

ただし、肉や魚などの「殺生」を連想させるものや、香りの強いものは避けるのがマナーです。

お供えした後に、ご遺族や親族で分けていただくことができる点も、良いところと言えるでしょう。

弔問の際に持参するか、葬儀後にご自宅へ送るのが一般的です。

何もしないという選択

最も重要なのは、ご遺族の「香典等を辞退する」という意向を尊重することです。

ご遺族の負担を少しでも減らしたいという想いからの辞退である場合、無理に何かを贈ることがかえってご迷惑になってしまうこともあります。

その場合は、何もしない、というよりは「何もしないでおく」という選択も、深い思いやりの形です。

後日、お悔やみの手紙を送ったり、ご遺族が落ち着かれた頃に連絡を取ったりして、静かに故人を偲ぶ気持ちを伝えるだけでも十分です。

お花券の選び方と贈り方のポイント

いざお花券を贈ろうと決めたとき、どのようなお花券を選べばよいのか、また贈る際にどのような点に気を付ければよいのか、具体的なポイントを押さえておきましょう。

お花券のお悔やみの渡し方において、最後の仕上げとも言える部分です。

お花券の種類と選び方

お花券には、主に「花とみどりのギフト券」があります。

これは全国の取扱加盟店(花屋や園芸店)で利用できる、最も一般的なお花券です。

このギフト券を選ぶ際のポイントは、有効期限の有無です。

現在発行されているものには有効期限がありますが、以前発行されたものにはないタイプも存在します。

ご遺族が慌てて使う必要がないように、できるだけ有効期限が長いもの、あるいは購入時に有効期限を確認してから贈るのが親切です。

また、お花券は一般的に500円券と1,000円券の2種類があります。

これらを組み合わせて、予定している金額になるように準備します。

購入場所は、デパートの商品券売り場や、取り扱いのある花屋、オンラインショップなどです。

贈り方の最終チェックポイント

お花券を贈る際には、これまでに解説してきたマナーを再確認することが大切です。

  1. 不祝儀袋に入れる:お花券を裸で渡すのは厳禁です。必ず白黒または双銀の水引がついた不祝儀袋に入れます。
  2. 表書きを正しく書く:宗教・宗派に配慮し、薄墨で丁寧に書きます。不明な場合は「御花料」が無難です。
  3. 中袋の記入を忘れない:誰からのものか分かるように、中袋(もしあれば)の裏面に住所・氏名を、表面に金額を記入します。
  4. 新札は避ける:お祝い事ではないため、新札を入れるのは「不幸を予期して準備していた」とされ、マナー違反です。お花券は金券ですが、この慣習に倣い、もし新しいお花券しか手に入らなかった場合は、一度折り目をつけてから袋に入れるとよいでしょう。
  5. 袱紗(ふくさ)に包んで持参する:通夜や告別式に持参する場合は、不祝儀袋を袱紗に包んで持っていくのが正式なマナーです。弔事では、左開きの袱紗を使用します。

これらの細やかな配慮が、故人への敬意とご遺族への深い思いやりを示すことにつながります。

形式的なマナーを守るだけでなく、相手の気持ちに寄り添う姿勢を忘れないことが、何よりも重要です。

お花券は、ご遺族が少し気持ちが落ち着いたときに、故人を偲びながら好きなお花を選べるという、時間と選択の自由を贈るものでもあります。

その本来の意味を大切に、心を込めて準備しましょう。

お花券のお悔やみの渡し方の総まとめ

これまで、お花券のお悔やみの渡し方について、様々な角度から詳しく解説してきました。

香典を辞退された際の選択肢として非常に有効なお花券ですが、その渡し方には細やかなマナーと心遣いが求められます。

最後に、この記事の要点を改めて整理し、おさらいしておきましょう。

まず基本となるのは、ご遺族の意向を最優先に考えることです。

香典だけでなく供花や供物もすべて辞退されている場合は、お花券を贈るのも控えるのが賢明です。

贈るタイミングは、通夜・告別式、後日の弔問、または郵送のいずれかになりますが、それぞれの状況に応じた作法を守ることが大切です。

特に郵送の場合は、現金書留を利用し、必ず心のこもった手紙を添えることを忘れないでください。

不祝儀袋の選び方や表書きは、宗教への配慮が不可欠です。

仏式、キリスト教式、神式でそれぞれ作法が異なりますが、もし宗派がわからない場合は、どの宗教でも使える「御花料」という表書きを選ぶのが最も安全な方法と言えます。

表書きや氏名は、薄墨の筆ペンで丁寧に書くのが正式なマナーです。

金額については、故人との関係性やご自身の年齢を考慮して決めるのが一般的です。

香典の相場を参考にしつつも、ご遺族に返礼の気遣いをさせないよう、あまりに高額になるのは避けたほうが良いでしょう。

お花券をお渡しすることは、故人を悼む気持ちと、悲しみの中にいるご遺族を思いやる気持ちを形にする一つの方法です。

この記事で解説したマナーは、あくまで相手への敬意や思いやりを伝えるための形式です。

最も重要なのは、形式に囚われること以上に、故人を偲び、ご遺族に寄り添う「心」そのものであることを忘れないでください。

正しい知識と温かい心遣いをもって対応すれば、あなたの弔意はきっとご遺族に届くはずです。

この記事のまとめ
  • ➤お花券は香典辞退の際に弔意を示す良い方法
  • ➤贈る際はご遺族の意向を最優先に確認する
  • ➤現金同様に不祝儀袋に入れ袱紗に包んで持参する
  • ➤渡すタイミングは通夜告別式か後日の弔問が基本
  • ➤遠方の場合は現金書留で郵送し必ず手紙を添える
  • ➤郵送は葬儀後少し落ち着いた頃合いを見計らう
  • ➤宗教宗派が不明な場合の表書きは「御花料」が万能
  • ➤表書きと氏名は薄墨の筆ペンで丁寧に書くのがマナー
  • ➤キリスト教や神道では仏教用語の使用を避ける
  • ➤金額は故人との関係性を基に香典相場を参考にする
  • ➤高額すぎるとご遺族の負担になるため注意が必要
  • ➤添えるメッセージでは忌み言葉を避けて簡潔に綴る
  • ➤お花券以外に供花や線香といった選択肢もある
  • ➤最も大切なのは故人を偲びご遺族を思いやる心
  • ➤正しいマナーで対応すれば弔意は深く伝わる

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