新築祝いは50万で問題ない?親族間の相場や贈与税・お返しの完全ガイド
*当ページには広告が含まれています。

親しい方の新しい門出である新築は、心からお祝いしたい一大イベントです。

しかし、そのお祝いの気持ちを形にする際、特に金額が大きくなると様々な疑問や不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

中でも、新築祝いは50万という金額になると、「これは一般的なのだろうか」「何か特別なマナーや手続きが必要なのでは?」と、贈る側も受け取る側も戸惑うことが多いようです。

私の経験上、特に親から子へ、あるいは兄弟間での高額な新築祝いは、援助の気持ちも含まれるため、その取り扱いには細やかな配慮が求められます。

実際に、新築祝いの相場は関係性によって大きく異なり、50万円という金額が妥当な場合もあれば、少し高額と受け取られるケースも考えられます。

また、現金を贈る際ののし袋の選び方や表書きといった基本的なマナーはもちろんのこと、高額だからこそ気になる贈与税の問題は、決して無視できない重要なポイントです。

一方で、このような心のこもったお祝いを頂いた側としては、感謝の気持ちをどう伝え、どの程度の金額でお返し(内祝い)をすれば良いのか、品物選びはどうしたらいいのか、といった新たな悩みも生まれることでしょう。

この記事では、新築祝いは50万という金額に焦点を当て、贈る側と受け取る側、双方の立場からあらゆる疑問や不安を解消できるよう、網羅的に情報を解説していきます。

金額の相場観から具体的なマナー、税金の知識、そして心からの感謝が伝わるお返しの方法、さらには贈り物として格式高い胡蝶蘭の魅力に至るまで、この記事を読めば自信を持ってスマートにお祝いのやり取りができるようになるはずです。

この記事でわかること
  • ➤新築祝い50万円が一般的なのかという相場観
  • ➤親や兄弟など関係性ごとの具体的な金額の目安
  • ➤現金で贈る際の正しいマナーとのし袋の書き方
  • ➤50万円の贈与で税金がかかるかの判断基準
  • ➤新築祝いに喜ばれる品物の選び方と注意点
  • ➤高額なお祝いに対するお返しの相場とマナー
  • ➤お祝いの品として格式高い胡蝶蘭がおすすめな理由

 

新築祝いは50万という高額なケースの相場観とマナー

この章のポイント
  • ➤親から?兄弟から?関係性で見る金額の相場
  • ➤覚えておきたい現金で贈る際のマナーとのし袋
  • ➤新築祝いに50万は贈与税の対象になるのか
  • ➤品物で贈る場合に喜ばれる選び方のコツ
  • ➤格式高い贈り物に最適な胡蝶蘭という選択肢

親から?兄弟から?関係性で見る金額の相場

新築祝いの金額は、贈る相手との関係性によって大きく変わるのが一般的です。

特に、新築祝いは50万という金額を検討する場合、それがどのような関係性の間で交わされるのかが、その妥当性を判断する上で非常に重要になります。

ここでは、主に親、兄弟、その他の親戚という関係性に分けて、新築祝いの相場について詳しく見ていきましょう。

親から子への新築祝い

親から子へ贈る新築祝いは、他のお祝いに比べて高額になる傾向が最も強いケースです。

これは単なるお祝いの気持ちだけでなく、子どもの新しい生活を経済的に支援したいという親心が含まれているためです。

そのため、50万円、あるいは100万円といった金額も決して珍しいことではありません。

実際に、住宅購入の頭金の一部として援助する形で、高額なお祝いを渡す家庭も多く見られます。

したがって、親から子へという関係性において、新築祝いは50万という金額は、十分に考えられる妥当な範囲内と言えるでしょう。

ただし、家庭の経済状況や考え方によって大きく異なるため、一概にこの金額が正解というわけではありません。

兄弟姉妹間での新築祝い

兄弟姉妹間での新築祝いの相場は、一般的に3万円から10万円程度とされています。

もちろん、これはあくまで目安であり、兄弟間の関係性の深さや年齢、経済状況によって変動します。

例えば、兄が経済的に余裕があり、弟の新しい門出を盛大に祝いたいという場合、10万円を超えるお祝いをすることもあります。

しかし、新築祝いは50万となると、兄弟間ではかなり高額な部類に入ります。

もし50万円を贈る場合は、相手に気を遣わせすぎないような配慮や、他の兄弟とのバランスを考慮する必要があるかもしれません。

私の経験上、兄弟間で高額なお祝いをする際は、事前に他の兄弟とも相談しておくと、後のトラブルを防ぐことにつながります。

その他の親戚(祖父母、おじ・おば等)からの新築祝い

祖父母から孫へ、あるいはおじ・おばから甥・姪へ贈る場合、相場は3万円から10万円程度が一般的です。

特に親しい間柄であれば、もう少し奮発することもあるでしょう。

この関係性で新築祝いは50万という金額は、兄弟間の場合と同様に非常に高額です。

祖父母が孫の将来を思って、経済的な援助として贈るケースは考えられますが、一般的とは言えません。

もし高額なお祝いをいただいた場合は、親しい間柄であっても、マナーに則った丁寧なお返しをすることが大切です。

  • 親から子へ:10万円~100万円以上(50万円は一般的)
  • 兄弟姉妹間:3万円~10万円(50万円はかなり高額)
  • 祖父母から孫へ:5万円~30万円(関係性による)
  • その他親戚:3万円~10万円(50万円は非常に高額)

このように、新築祝いは50万という金額は、主に親から子への援助的な意味合いが強いケースで一般的とされ、それ以外の関係性では高額な贈り物と見なされることを理解しておくことが重要です。

覚えておきたい現金で贈る際のマナーとのし袋

新築祝いとして現金を贈ることは、相手が必要なものを自由に購入できるため、非常に実用的で喜ばれる選択肢です。

しかし、特に新築祝いは50万という高額な現金を贈る際には、相手に失礼のないよう、正しいマナーを心得ておく必要があります。

ここでは、ご祝儀袋の選び方からのしの書き方、そしてお札の準備まで、現金で贈る際の具体的なマナーを詳しく解説します。

ご祝儀袋の選び方

まず、ご祝儀袋は贈る金額に見合った格のものを選ぶことが大切です。

50万円という高額を包む場合、簡素なご祝儀袋では不釣り合いな印象を与えてしまいます。

立派な装飾が施された、大きめのご祝儀袋を選びましょう。

水引は、「何度あっても嬉しいお祝い事」に使われる「紅白の蝶結び」のものを選びます。

結び切りやあわじ結びは、結婚祝いなど一度きりが望ましいお祝いに使われるものなので、間違えないように注意が必要です。

のし袋の表書きの書き方

表書きは、濃い黒の毛筆や筆ペンを使い、楷書で丁寧に書くのがマナーです。

水引の上段中央には、お祝いの名目を書きます。

最も一般的なのは「御新築御祝」ですが、「祝御新築」や「御祝」でも問題ありません。

そして、水引の下段中央には、贈り主の名前をフルネームで書きます。

名目よりも少し小さめに書くと、全体のバランスが美しく見えます。

夫婦連名で贈る場合は、中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前のみを書きます。

中袋の書き方と入れ方

中袋(または中包み)の表面には、包んだ金額を「大字(だいじ)」と呼ばれる旧字体の漢数字で書きます。

これは、後から金額を改ざんされるのを防ぐための慣習です。

例えば、50万円の場合は「金伍拾萬圓也」と書きます。

中袋の裏面には、贈り主の住所と氏名を書きます。

これは、受け取った側が整理する際に誰から頂いたものか分かりやすくするための配慮です。

お札を入れる際は、お札の向きを揃え、肖像画が描かれている面が中袋の表側の上に来るように入れます。

また、新築祝いに包むお札は、必ず新札(ピン札)を用意するのがマナーです。

これは、「新しい門出のために、前もって準備していました」という心遣いを表すためです。

銀行の窓口で両替してもらえば、新札を用意できます。

これらのマナーを守ることで、お祝いの気持ちがより一層丁寧に伝わります。

新築祝いに50万は贈与税の対象になるのか

新築祝いは50万という高額な金銭のやり取りをする際に、多くの方が心配になるのが「贈与税」の問題ではないでしょうか。

結論から言うと、年間で受け取った贈与の合計額によっては、贈与税がかかる可能性があります。

しかし、仕組みを正しく理解していれば、過度に心配する必要はありません。

ここでは贈与税の基本的な仕組みと、どのような場合に注意が必要なのかを分かりやすく解説します。

贈与税の基礎知識「暦年課税」

日本の贈与税には、「暦年課税」という制度があります。

これは、1人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、申告も不要というものです。

この110万円を「基礎控除額」と呼びます。

つまり、新築祝いとして50万円をもらったとしても、その年にもらった他の贈与が60万円以下であれば、合計が110万円を超えないため、贈与税の心配はいらないということです。

重要なのは、新築祝いの50万円単体で判断するのではなく、「その年にもらった贈与の総額」で考える点です。

誰からの贈与が対象になるか

この110万円の基礎控除は、もらった人(受贈者)一人あたりの金額です。

例えば、夫が自分の父親から50万円、妻が自分の父親から50万円の新築祝いをそれぞれもらった場合、夫婦それぞれが50万円ずつもらったことになるため、どちらも基礎控除額の110万円以内となり、贈与税はかかりません。

しかし、もし夫が自分の父親から50万円、そして妻の父親からも50万円の援助を受けた場合、夫がもらった贈与の合計は100万円となり、これも基礎控除の範囲内です。

あくまで「誰が」「誰から」もらったかを明確にして、もらった人ごとに年間の合計額を計算する必要があります。

注意すべきケース

新築祝いは50万という金額自体は基礎控除の範囲内ですが、注意が必要なのは、同じ年に他からも贈与を受けている場合です。

例えば、親から新築祝いとは別に、生活費の援助として100万円を受け取っていた場合、新築祝いの50万円と合わせて年間150万円の贈与となり、基礎控除の110万円を超える40万円に対して贈与税が課税されます。

また、新築に際して、親から住宅取得資金の援助として別途まとまった金額を受け取る場合は、「住宅取得等資金の非課税の特例」という別の制度を利用できる可能性があります。

この特例は基礎控除とは別に利用できるものですが、利用するには一定の条件を満たし、確定申告をする必要があります。

新築祝いは50万というお祝いが、この特例の対象となる住宅取得資金の一部と見なされるかどうかは、税務署や税理士に確認するとより安心でしょう。

基本的には、年間110万円という基準を覚えておけば、ほとんどの場合問題ありません。もし不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。

品物で贈る場合に喜ばれる選び方のコツ

新築祝いは現金だけでなく、品物で贈ることも素晴らしい選択です。

特に、相手の好みやライフスタイルをよく知っている場合、心に残る贈り物になるでしょう。

しかし、新築祝いは50万という予算を品物に使う場合、高価なものであるがゆえに、選び方を間違えると相手を困らせてしまう可能性もあります。

ここでは、喜ばれる品物を選ぶためのコツと注意点をご紹介します。

相手に直接欲しいものを聞く

最も確実で喜ばれる方法は、相手に直接欲しいものをリクエストしてもらうことです。

「新築おめでとう。お祝いに何か贈りたいのだけど、何か欲しいものはある?」と率直に聞いてみましょう。

新居での生活を始めたばかりの頃は、家具や家電、インテリアなど、揃えたいものがたくさんあるはずです。

相手が本当に必要としているものを贈ることができれば、無駄になる心配もなく、心から喜んでもらえます。

特に50万円という高額な予算であれば、大型の家電やデザイナーズ家具など、相手が自分ではなかなか手が出せないものをプレゼントすることも可能です。

避けるべき品物(タブー)を知っておく

お祝いの贈り物には、古くからの習わしで避けるべきとされる品物(タブー)があります。

これらを知らずに贈ってしまうと、意図せず相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

  • 火を連想させるもの:ライター、灰皿、キャンドル、赤い色のものなど。これらは「火事」を連想させるため、新築祝いではタブーとされています。
  • 壁に穴を開ける必要があるもの:壁掛け時計や絵画など。新築の壁に穴を開けることを気にする方もいるため、事前に確認するのが無難です。
  • 履物や敷物:スリッパやマットなど。「相手を踏みつける」という意味合いに取られる可能性があるため、特に目上の方へ贈るのは避けましょう。

これらの品物は、相手からリクエストがあった場合は問題ありませんが、こちらから選んで贈る際には注意が必要です。

複数人で一つのものを贈る「合算ギフト」

一人で50万円の品物を贈るのが難しい場合や、より高価なものを贈りたい場合には、兄弟や親戚、友人などと複数人でお金を出し合って一つの品物を贈る「合算ギフト」もおすすめです。

例えば、皆で50万円を集めて、最新のドラム式洗濯乾燥機や大型の冷蔵庫、高級ソファなどをプレゼントすれば、一人ひとりの負担は少なく、かつ相手に非常に喜ばれる豪華な贈り物ができます。

この場合、誰がお金を出し合ったのかが分かるように、メッセージカードに連名で名前を記載するのがマナーです。

迷った時はカタログギフトも有効

相手の好みが分からない、あるいは何を贈れば良いか決めきれないという場合は、カタログギフトも有効な選択肢です。

最近では、グルメやインテリア、体験型ギフトなど、様々なジャンルに特化した高価格帯のカタログギフトも充実しています。

これなら、受け取った相手が本当に欲しいものを自分のタイミングで選べるため、失敗がありません。

ただし、50万円という金額をすべてカタログギフトにするのは味気ないと感じる方もいるかもしれません。

その場合は、現金や他の品物と組み合わせて贈るのも良いでしょう。

格式高い贈り物に最適な胡蝶蘭という選択肢

新築祝いは50万という大きなご予算を考える際、現金や実用的な品物も良いですが、お祝いの気持ちを華やかに、そして格調高く表現する贈り物として「胡蝶蘭」を検討してみてはいかがでしょうか。

胡蝶蘭は、その見た目の美しさと縁起の良い花言葉から、開店祝いや就任祝いなど、あらゆるお祝いのシーンで最高級の贈り物として選ばれてきました。

もちろん、個人の新築祝いにおいても、その価値は変わりません。

なぜ新築祝いに胡蝶蘭が喜ばれるのか

胡蝶蘭が新築祝いに最適な理由は数多くあります。

  1. 縁起の良い花言葉:胡蝶蘭の代表的な花言葉は「幸福が飛んでくる」です。新しい家、新しい生活に、まさに幸福が舞い込んでくるようなイメージは、新築祝いのメッセージとしてこれ以上ないほどふさわしいものです。
  2. 圧倒的な存在感と高級感:手入れの行き届いた大輪の胡蝶蘭が並ぶ姿は、見る人を圧倒するほどの華やかさと気品に満ちています。新しい家の玄関やリビングに飾ることで、空間全体を格上げし、お祝いムードを盛り上げてくれます。
  3. 長く楽しめる:胡蝶蘭は花持ちが非常に良いことでも知られています。適切な環境であれば1ヶ月以上、長いものだと3ヶ月近く美しい花を楽しむことができます。贈った後も長くお祝いの気持ちを伝え続けられるのは、他の生花にはない大きな魅力です。
  4. 手入れが比較的簡単:豪華な見た目とは裏腹に、胡蝶蘭は水やりの頻度が少なく、室内で育てるのに適した植物です。新居での忙しい生活の中でも、比較的負担なく管理することができます。
  5. 香りが少なく、花粉が飛ばない:強い香りがなく、花粉もほとんど飛ばないため、ダイニングやリビングなど、人が集まる場所に置いても安心です。アレルギーの心配も少ないため、どなたにも安心して贈ることができます。

50万円の予算で贈る胡蝶蘭

新築祝いは50万というご予算があれば、最高級クラスの胡蝶蘭を選ぶことが可能です。

例えば、数十本もの花茎を一つの鉢に仕立てた「10本立ち」や「20本立ち」といった、めったに見ることのできない圧巻の胡蝶蘭を贈ることができます。

また、青や紫など特殊な染色を施した珍しい色の胡蝶蘭や、生産者が丹精込めて育て上げた品評会クラスの逸品を選ぶこともできるでしょう。

現金や他の品物と組み合わせて、3万円から5万円程度の一般的な3本立ちや5本立ちの胡蝶蘭を添えるという方法も大変おすすめです。

現金の包みだけでは少し直接的すぎると感じる場合でも、美しい胡蝶蘭を一緒に贈ることで、お祝いの気持ちがより温かく、華やかに伝わります。

胡蝶蘭を贈る際は、立て札に「祝 御新築」といった表書きと贈り主の名前を記すのが一般的です。

新しい門出を祝う気持ちを、品格あふれる胡蝶蘭に託してみてはいかがでしょうか。

きっと忘れられない、素晴らしい贈り物になるはずです。

 

新築祝いは50万を頂いた場合のお返しと感謝の伝え方

この章のポイント
  • ➤お返しの相場はいくらが適切?基本的な考え方
  • ➤お返しは不要と言われた時のスマートな対応
  • ➤内祝いにおすすめの品物と避けるべきタブー
  • ➤感謝を伝えるメッセージの書き方と例文
  • ➤まとめ:新築祝いは50万にふさわしい感謝の気持ちを伝えよう

お返しの相場はいくらが適切?基本的な考え方

新築祝いは50万という高額なお祝いをいただいた際、まず悩むのが「お返し(新築内祝い)」をどうするか、ということでしょう。

感謝の気持ちをしっかりと形にしたいけれど、どのくらいの金額が適切なのか、相場が分からず困ってしまう方も多いようです。

ここでは、新築内祝いの基本的な考え方と、高額なお祝いをいただいた場合の相場について解説します。

内祝いの基本的な相場は「3分の1から半返し」

一般的に、いただいたお祝いに対する内祝いの金額は、「3分の1から半額(半返し)」が相場とされています。

例えば、3万円のお祝いをいただいたら、1万円から1万5千円程度の品物をお返しするのが目安となります。

このルールに則って考えると、新築祝いは50万をいただいた場合のお返しは、約17万円から25万円ということになります。

これは非常に高額であり、新生活を始めたばかりの家計にとっては大きな負担となりかねません。

高額なお祝い、特に親からの場合は相場通りでなくても良い

ここで重要なのは、親やごく近しい親族から高額のお祝いをいただいた場合、必ずしも「3分の1から半返し」の相場にこだわる必要はないということです。

なぜなら、親から子への50万円といった高額な新築祝いには、「お祝い」の気持ちと同時に、「新しい生活の足しにしてほしい」という強い援助・支援の意味合いが含まれているからです。

その気持ちを汲まずに、相場通りに高額なお返しをしてしまうと、かえって「そんなつもりじゃなかったのに」「気を遣わせてしまった」と相手をがっかりさせてしまう可能性があります。

したがって、親や祖父母から新築祝いは50万をいただいた場合は、相場よりも少ない金額、例えば5万円から10万円程度のお返しでも、マナー違反にはあたりません。

もちろん、これはあくまで目安であり、ご家庭の関係性や考え方によって調整するのが良いでしょう。

お返しは新居へのお披露目会が基本

本来、新築内祝いは、品物を贈ることだけを指すのではありません。

新居に招いて食事を振る舞い、家の中を案内する「お披露目会」を開くことが、最も正式で丁寧なお返しとされています。

お披露目会でのおもてなし自体がお返しとなるため、基本的には別途品物を用意する必要はありません。

ただし、いただいたお祝いが50万円と非常に高額であった場合、お食事代だけではお返しとして不十分だと感じることもあるでしょう。

そのような場合は、お披露目会の当日に、相手の好きなものやお菓子、飲み物などを手土産としてお渡しすると、より丁寧な印象になります。

大切なのは、金額にこだわりすぎず、感謝の気持ちを込めて精一杯おもてなしをすることです。

お返しは不要と言われた時のスマートな対応

親しい間柄、特に親から高額な新築祝いをいただいた際に、「お返しはいいからね」「気にしないで」と言われることがよくあります。

これは、心から新しい生活を応援したいという相手の善意であり、その言葉を素直に受け取ることも大切です。

しかし、言葉通りに何もしないでいると、こちらの感謝の気持ちが伝わっているか不安に感じることもあるでしょう。

ここでは、「お返しは不要」と言われた際に、相手に気を遣わせすぎず、かつ感謝をスマートに伝えるための対応方法についてご紹介します。

言葉の真意を汲み取る

まず、「お返しは不要」という言葉には、いくつかのニュアンスが含まれていることを理解しましょう。

一つは、前述の通り「新生活の負担になるから本当に何もいらない」という本心からの気遣いです。

もう一つは、社交辞令としての「建前」である可能性です。

本心か建前かを見極めるのは難しいですが、特に親や祖父母からの言葉であれば、本心であるケースが多いと考えられます。

いずれにせよ、相手の「負担をかけたくない」という気持ちを尊重する姿勢が基本となります。

まずは感謝の言葉を丁寧に伝える

何よりも大切なのは、お祝いをいただいてすぐに、電話や手紙で心からの感謝を伝えることです。

「本当にありがとう。おかげで素敵な家具が買えました」「大切に使わせていただきます」など、具体的にお礼を伝えることで、喜びの気持ちがより深く伝わります。

その際に、「お返しは気にしないでと言ってくれてありがとう。そのお気持ち、本当に嬉しいです」と、相手の気遣いに対しても感謝を述べると、より丁寧な印象になります。

新居のお披露目会に招待する

「お返しは不要」と言われた場合でも、新居のお披露目会に招待するのは別問題です。

「ささやかですが、新しい家を見に来てください」とお誘いし、心を込めておもてなしをすることが、何よりのお返しになります。

遠方で来られない場合や、相手の都合がつかない場合は仕方がありませんが、お誘いする姿勢を見せるだけでも、感謝の気持ちは伝わるものです。

何か形にしたい場合は「ご挨拶」として贈る

それでも何かお礼の品を贈りたい、という気持ちが強い場合は、「内祝い」という形式にこだわらない方法があります。

例えば、旅行に行った際のお土産や、相手の好きなお菓子や飲み物を見つけた際に、「先日はありがとうございました。近くに来たので、よろしければ召し上がってください」といった形で、「ご挨拶」や「手土産」としてお渡しするのです。

これなら相手も気軽に受け取りやすく、「お返しをさせてしまった」という心理的な負担を感じにくいでしょう。

金額も、相場を意識した高額なものではなく、数千円から1万円程度の、相手が恐縮しない範囲のものがスマートです。

「内祝い」という名目にこだわらず、日頃の感謝を示す機会を設けることが、円満な関係を続ける秘訣と言えるかもしれません。

内祝いにおすすめの品物と避けるべきタブー

新築祝いは50万という高額なお祝いに対して、相応の感謝を伝えたいけれど、具体的にお返し(内祝い)の品物として何を選べば良いか迷ってしまう、という方も多いでしょう。

高価なものであれば何でも良いというわけではなく、相手に喜んでもらえるもの、そしてお祝いのお返しとしてふさわしいものを選ぶことが大切です。

ここでは、新築内祝いにおすすめの品物と、贈ってはいけないタブーの品物について具体的にご紹介します。

新築内祝いにおすすめの品物

内祝いの品は、自分ではなかなか買わないけれど、もらうと嬉しい「ちょっと贅沢なもの」や、あとに残らない「消えもの」が定番として人気です。

  • 高品質なタオルギフト:今治タオルなど、国産の高品質なタオルは、肌触りも良く、毎日使うものなので誰にでも喜ばれます。木箱に入ったものなど、見た目にも高級感のあるギフトセットがおすすめです。
  • グルメ・スイーツ:有名店の焼き菓子や、高級な和牛、産地直送の海産物など、普段はあまり食べないような特別なグルメは、家族みんなで楽しんでもらえる人気の品です。相手の好みや家族構成に合わせて選ぶと良いでしょう。
  • お酒・飲料:お酒が好きな方には、希少な日本酒やワイン、クラフトビールのセットなどが喜ばれます。お酒を飲まない方には、高級なジュースやコーヒー、紅茶の詰め合わせも良い選択です。
  • カタログギフト:相手の好みが分からない場合に最も便利なのがカタログギフトです。最近では、特定のジャンルに特化したものや、温泉旅行などの体験を選べるものもあり、選ぶ楽しみも贈ることができます。
  • 食器・テーブルウェア:有名ブランドのペアグラスやお皿なども人気です。ただし、相手のインテリアの好みに合わない可能性もあるため、シンプルなデザインのものを選ぶのが無難です。

内祝いで避けるべきタブーの品物

一方で、お祝いのお返しとしてはふさわしくないとされる、避けるべき品物も存在します。

良かれと思って選んだものが、実はマナー違反だった、ということにならないよう、しっかりと確認しておきましょう。

  1. 刃物(包丁、ハサミなど):「縁を切る」ことを連想させるため、お祝い事の贈り物としてはタブーとされています。
  2. 緑茶:香典返しなど、弔事で使われることが多いため、お祝いのお返しとしては避けるのが一般的です。
  3. ハンカチ:漢字で「手巾(てぎれ)」と書くことから、「手切れ」を連想させるため、別れの贈り物とされることがあります。
  4. 肌着・靴下:「相手の生活に立ち入る」「相手を踏みつける」といった意味合いに取られる可能性があり、特に目上の方には失礼にあたります。
  5. 現金・商品券:金額が直接分かってしまうため、目上の方へのお返しとしては失礼とされることがあります。ただし、親しい間柄で相手からリクエストがあった場合は問題ありません。

品物選びで最も大切なのは、相手への感謝の気持ちです。

相手のライフスタイルや好みを想像しながら、心を込めて選んだものであれば、きっと喜んでもらえるはずです。

感謝を伝えるメッセージの書き方と例文

新築内祝いの品物を贈る際には、必ず感謝の気持ちを伝えるメッセージカードやお礼状を添えるのがマナーです。

品物だけを贈るよりも、心のこもった言葉が添えられている方が、感謝の気持ちは格段に深く伝わります。

特に、新築祝いは50万という高額なお祝いをいただいたのですから、定型文だけでなく、自分の言葉でしっかりと感謝を伝えたいものです。

ここでは、感謝が伝わるメッセージを書くためのポイントと、すぐに使える例文をご紹介します。

メッセージに含めたい3つの要素

心のこもったメッセージを作成するために、以下の3つの要素を盛り込むことを意識しましょう。

  1. お祝いへのお礼:まずは、素晴らしいお祝いをいただいたことへの感謝を伝えます。「この度は、心のこもったお祝いをいただき、誠にありがとうございました」など、丁寧な言葉で始めましょう。
  2. 近況報告と家の様子:新しい家での生活が始まったことや、家の様子などを伝えます。「おかげさまで、無事に引越しも落ち着き、快適な毎日を過ごしております」「いただいたお祝いで購入したソファが、リビングの主役になっています」など、具体的だと相手も喜んでくれます。
  3. 今後の抱負とお付き合いのお願い:新居にお招きする言葉や、今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉で締めくくります。「ささやかですが、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」「今後とも、親子ともどもよろしくお願い申し上げます」といった言葉が良いでしょう。

メッセージを書く際の注意点

メッセージを書く際には、忌み言葉(いみことば)を使わないように注意が必要です。

忌み言葉とは、火事や家の倒壊などを連想させる不吉な言葉のことで、「燃える」「焼ける」「倒れる」「崩れる」「失う」などがこれにあたります。

また、句読点(「、」や「。」)は、「区切り」や「終わり」を意味するため、お祝い事の手紙では使わないのが正式なマナーとされていますが、最近では読みやすさを重視して使われることも多くなっています。

気になる場合は、句読点の代わりにスペース(空白)を使うと良いでしょう。

【例文】親へ送るメッセージ

この度は心のこもったお祝いをいただき 本当にありがとうございました
おかげさまで 先日無事に引越しを終え 新しい生活を始めることができました
いただいたお祝いで ずっと憧れていたダイニングテーブルセットを購入させていただきました
家族みんなで食卓を囲むのが 毎日の楽しみです
まだまだ片付いていないところも多いですが とても快適に過ごしています
落ち着きましたら ぜひ一度遊びに来てくださいね
これからもどうぞよろしくお願いいたします

【例文】親戚・目上の方へ送るメッセージ

謹啓 〇〇の候 皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて この度は私どもの新築に際しまして 過分なお祝いを賜りまして誠にありがとうございました
おかげさまで滞りなく新居も完成し 家族一同快適な毎日を送っております
つきましては ささやかではございますが 内祝いのしるしをお贈りいたしましたので ご笑納いただければ幸いです
お近くにお越しの節は ぜひお気軽にお立ち寄りください
末筆ではございますが 皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます
謹白

手書きのメッセージは、印刷されたものよりも温かみが伝わります。たとえ短い文章でも、心を込めて丁寧に書くことが何よりも大切です。

まとめ:新築祝いは50万にふさわしい感謝の気持ちを伝えよう

ここまで、新築祝いは50万という金額にまつわる様々な疑問について、贈る側と受け取る側、双方の視点から解説してきました。

新築祝いは50万という金額は、特に親から子への贈り物としては、決して珍しいものではなく、新しい生活を支援したいという深い愛情の表れであることが多いです。

贈る側は、相手に気を遣わせすぎないよう、タイミングや渡し方に配慮し、高額だからこそ気になる贈与税の基礎知識も頭に入れておくと安心です。

現金だけでなく、相手の暮らしを豊かにする品物や、お祝いの気持ちを華やかに伝える胡蝶蘭のような贈り物も、素晴らしい選択肢となるでしょう。

一方で、新築祝いは50万という大きなお祝いをいただいた側は、まず何よりも先に、心からの感謝を言葉で伝えることが大切です。

その上で、お返し(内祝い)について考えることになりますが、高額なお祝いに対しては、必ずしも相場通りの「半返し」にこだわる必要はありません。

相手の「援助したい」という気持ちを汲み取り、新居へのお披露目会で精一杯おもてなしをしたり、感謝の手紙と共に心を込めて選んだ品物を贈ったりすることが、金額以上の価値を持つお返しとなります。

お返し不要と言われた場合も、その言葉に甘えつつ、別の機会に手土産を持参するなど、感謝の気持ちを伝え続ける姿勢が、良好な関係を長く築いていく上で重要です。

新築祝いという人生の節目における心温まるやり取りは、金額の大小にかかわらず、人と人との絆を深める絶好の機会です。

この記事で得た知識を参考に、贈る側も受け取る側も、双方が晴れやかな気持ちでお祝いのやり取りができることを願っています。

最終的に最も重要なのは、形式や金額にとらわれすぎず、相手を思う真心を形にして伝えることに他なりません。

この記事のまとめ
  • ➤新築祝い50万は親から子への援助の意味合いが強い
  • ➤兄弟や親戚間では50万円は非常に高額と見なされる
  • ➤現金で贈る際は新札を用意し金額に見合うご祝儀袋を選ぶ
  • ➤のし袋の水引は「紅白の蝶結び」がマナー
  • ➤年間110万円以下の贈与なら贈与税はかからない
  • ➤贈与税は個人が1年間にもらった総額で判断する
  • ➤品物で贈る際は相手に直接希望を聞くのが確実
  • ➤火事や縁起の悪いものを連想させる品は避けるべき
  • ➤贈り物として胡蝶蘭は格式高く喜ばれる選択肢
  • ➤胡蝶蘭の花言葉「幸福が飛んでくる」は新築祝いに最適
  • ➤50万円のお祝いへのお返しは相場通りでなくても良い
  • ➤お返しは新居へのお披露目会が最も丁寧な形
  • ➤「お返し不要」と言われたら言葉に甘えつつ感謝を伝える
  • ➤内祝いの品は高品質なタオルやグルメが人気
  • ➤感謝の気持ちを伝えるお礼状を必ず添える

 

 

おすすめの記事