母の日の紫陽花の地植え完全ガイド|鉢植えから庭へのお手入れ
*当ページには広告が含まれています。
冠婚葬祭や全ての「祝事」で使える胡蝶蘭

 

【胡蝶蘭おすすめ】通販ランキングはコチラから

胡蝶蘭についてはコチラもお読みください。

【関連記事】胡蝶蘭は冠婚葬祭の贈り物!マナーを守る選び方ガイド

母の日に贈られた美しい紫陽花、その場限りで終わらせてしまうのはあまりにもったいないと感じませんか。

プレゼントされた素敵な鉢植えを、お庭に植え替えて来年も再来年も楽しみたい、そう考える方は少なくないでしょう。

しかし、母の日の紫陽花の地植えには、適切な時期や手順があり、何も知らずに行ってしまうと、根付かずに枯れてしまう可能性もあります。

特に、花が終わったらどうすれば良いのか、剪定はいつ行うべきか、そして来年も見事に咲かせるための育て方にはどのようなコツがあるのか、疑問は尽きないかもしれません。

この記事では、母の日に受け取った大切な紫陽花を、鉢植えからお庭へと無事に植え替え、長く楽しむための具体的な方法を詳しく解説していきます。

植え替えに最適な時期の見極め方から、紫陽花が好む場所の選び方、色鮮やかな花を咲かせるための土作り、日々の水やりや肥料の与え方といった基本的な育て方、さらには失敗しないための注意点まで、網羅的にご紹介します。

正しい知識を身につけることで、母の日の思い出が詰まった紫陽花を、お庭の主役として毎年美しく咲かせることができるようになります。

この記事でわかること
  • ➤母の日の紫陽花を地植えする最適なタイミング
  • ➤植え替えに適した場所や土の選び方の基本
  • ➤紫陽花の花が終わったらすぐに行うべき剪定方法
  • ➤地植え後の水やりや肥料など日々の育て方のコツ
  • ➤植え替え作業で失敗しないための具体的な手順と注意点
  • ➤来年も美しい花をたくさん咲かせるための年間管理
  • ➤鉢植えの状態から地植えへのスムーズな移行方法

母の日の紫陽花の地植えで失敗しないための準備

この章のポイント
  • ➤もらった鉢植えはすぐ植え替えるべき?
  • ➤地植えに最適な時期は花が終わったら
  • ➤植え付けに適した場所選びのポイント
  • ➤育ち方が変わる土の選び方と土壌改良
  • ➤知っておきたい植え替えの注意点

もらった鉢植えはすぐ植え替えるべき?

母の日にプレゼントされた美しい紫陽花の鉢植えを手にすると、すぐにでもお庭に植えて大きく育てたいという気持ちになるかもしれません。

しかし、その気持ちを少し抑えて、まずは落ち着いて考えることが大切です。

結論から言うと、ギフトとして受け取った紫陽花の鉢植えをすぐに地植えにするのは、あまりおすすめできません。

なぜなら、ギフト用の紫陽花は、温室などの管理された環境で、母の日のタイミングに合わせて開花するように促成栽培されている場合がほとんどだからです。

このような紫陽花は、いわば「箱入り娘」のような状態で、急に屋外の厳しい環境にさらされると、大きなストレスを受けてしまいます。

気温の変化、強い日差し、風雨などに慣れていないため、株が弱ってしまったり、最悪の場合は枯れてしまったりするリスクが高まるのです。

また、ギフト用の鉢はデザイン性が重視されており、根が伸びるスペースが限られていることが少なくありません。

購入した時点ですでに根が鉢の中でいっぱいになっている「根詰まり」状態であることも珍しくないでしょう。

このような状態で急に広大な地面に植えられると、根が環境の変化に対応できず、うまく水分や養分を吸収できなくなることがあります。

まずは、もらった紫陽花を屋外の環境に少しずつ慣らしてあげることが重要です。

花が咲いている間は、鉢植えのまま日当たりの良い玄関先やベランダなどで管理し、花を存分に楽しみましょう。

そして、花が終わるのを待ってから、最適なタイミングで地植えに移行するのが、紫陽花にとって最も負担の少ない方法と言えます。

焦らず、紫陽花のペースに合わせてあげること、それが長く付き合っていくための最初のステップになります。

花を楽しんでいる間に、どこに植えようか、どんな土を準備しようかと計画を立てるのも、ガーデニングの醍醐味の一つではないでしょうか。

地植えに最適な時期は花が終わったら

母の日の紫陽花の地植えを成功させるためには、植え替えの「時期」が非常に重要になります。

前述の通り、もらってすぐの植え替えは避けるべきですが、では一体いつが最適なタイミングなのでしょうか。

最もおすすめの時期は、ずばり「花が終わった直後」です。

具体的には、地域にもよりますが6月下旬から7月中旬頃が目安となります。

この時期は、日本の多くの地域で梅雨のシーズンにあたります。

梅雨の曇りや雨の多い気候は、紫陽花の植え替えにとってまさに恵みの季節と言えるでしょう。

なぜなら、植え替え直後の紫陽花は、根がまだ新しい土に馴染んでおらず、水分を十分に吸い上げることが難しい状態です。

このときにカンカン照りの日が続くと、葉からの水分の蒸発に根からの給水が追いつかず、水切れを起こしてぐったりしてしまいます。

梅雨時期であれば、日差しが和らぎ、空気中の湿度も高く、雨によって土壌も適度な湿り気を保ちやすいため、植え替え後の株の負担を大きく軽減できるのです。

新しい環境に根が順応するための、いわば「養生期間」として最適な条件が揃っています。

もし梅雨の時期を逃してしまった場合は、秋の彼岸頃、つまり9月下旬から10月頃も植え替えに適したシーズンです。

真夏の厳しい暑さが和らぎ、冬の寒さが本格化する前に根を張らせる時間的な余裕があります。

逆に、絶対に避けるべきなのは真夏と真冬です。

真夏の猛暑は、植え替えたばかりの弱った株には過酷すぎますし、水やりの管理も非常に難しくなります。

また、真冬は気温が低すぎて根の活動が鈍っており、植え付けてもなかなか根付いてくれません。

地上部が枯れたように見えても、根は生きていますが、この時期に植え替えのダメージを与えると、春からの生育に悪影響を及ぼす可能性があります。

したがって、母の日の紫陽花は、まず花を最後まで楽しみ、花が色あせてきたらなるべく早く、梅雨の時期を狙って地植えにチャレンジするのが最も成功率の高い方法と言えるでしょう。

植え付けに適した場所選びのポイント

母の日の紫陽花の地植えにおいて、植え付ける「場所」の選定は、その後の生育を大きく左右する重要な要素です。

一度植えてしまうと、頻繁に場所を移動させるのは株に大きな負担をかけるため、最初の場所選びは慎重に行う必要があります。

紫陽花が好む環境のポイントをいくつか押さえておきましょう。

日当たり

紫陽花は、強い直射日光が一日中当たる場所を嫌います。

特に、西日が強く当たる場所に植えてしまうと、夏場に葉が焼けてチリチリになってしまう「葉焼け」を起こしやすくなります。

葉焼けは見た目が悪いだけでなく、光合成の能力を低下させ、株全体の生育を妨げる原因にもなります。

理想的なのは、「午前中は日が当たるが、午後は明るい日陰になる」ような半日陰の場所です。

例えば、落葉樹の株元や、建物の東側などが適しています。

一日中日陰の場所では、花付きが悪くなったり、茎がひょろひょろと間延びしてしまったりすることがあるため、ある程度の日光は必要です。

最低でも4〜5時間程度は日が当たる場所を選ぶと良いでしょう。

風通し

風通しの良さも大切なポイントです。

空気がよどんで湿気がこもりやすい場所では、うどんこ病などの病気が発生しやすくなります。

ただし、風が常に強く吹き付けるような場所は避けるべきです。

強風は葉や茎を傷つけたり、土の乾燥を早めたりする原因になります。

家や塀である程度風が遮られるような、穏やかな風が通り抜ける場所が最適です。

水はけと水もち

紫陽花は水を好む植物ですが、常に土がジメジメと湿っているような水はけの悪い場所は苦手です。

水はけが悪いと根が呼吸できなくなり、「根腐れ」を起こしてしまいます。

植える予定の場所に穴を掘り、水を注いでみて、水がなかなか引かないようなら土壌改良が必要です。

一方で、水はけが良すぎる砂地のような場所も、水切れを起こしやすいためあまり適していません。

腐葉土などを混ぜ込んで、適度な保水性(水もち)を持たせることが大切です。

スペース

紫陽花は成長すると、品種にもよりますが高さも幅も1メートル以上に大きく育ちます。

植え付け時には小さな苗でも、将来の成長を見越して、十分なスペースを確保できる場所を選びましょう。

建物の基礎や他の植物に近すぎると、成長したときに窮屈になり、風通しが悪くなる原因にもなります。

育ち方が変わる土の選び方と土壌改良

紫陽花を元気に育て、美しい花を咲かせるためには、「土」が非常に重要な役割を果たします。

特に紫陽花は、土の酸度(pH)によって花の色が変わるという、他の植物にはない面白い特性を持っています。

この特性を理解し、適切な土作りを行うことが、母の日の紫陽花の地植えを成功させる鍵となります。

土の酸度(pH)と花色の関係

紫陽花の花の色は、土の中に含まれるアルミニウムが根から吸収されるかどうかで決まります。

  • 土が酸性(pHが低い):アルミニウムが溶け出しやすくなり、根から吸収されて花が青色になります。
  • 土がアルカリ性(pHが高い):アルミニウムが溶けにくくなり、吸収されないため花がピンク色や赤色になります。

日本の土壌は、雨が多いために自然と酸性に傾いていることが多いです。

そのため、特に何もしなければ青系の紫陽花が咲きやすい傾向にあります。

もし、プレゼントされた紫陽花がピンク色で、その色を維持したい場合は、土壌をアルカリ性に調整する必要があります。

逆に、青い花をより鮮やかにしたい場合は、酸性を保つ工夫をすると良いでしょう。

基本的な土作り

紫陽花は、水はけが良く、かつ水もちも良い、有機質に富んだ肥沃な土を好みます。

地植えにする際は、まず植える場所を深さ・幅ともに40〜50cmほど掘り、掘り上げた土に改良材を混ぜ込みます。

基本となる改良材は以下の通りです。

  1. 腐葉土:土をふかふかにし、通気性、排水性、保水性を高める効果があります。掘り上げた土の3〜4割程度を目安に混ぜ込みます。
  2. 堆肥:牛ふん堆肥やバーク堆肥などがあり、土に栄養を与え、微生物の活動を活発にします。土の1〜2割程度加えると良いでしょう。

花の色を調整するための土壌改良

特定の花色を目指す場合は、基本の土作りに加えて以下の調整を行います。

青い花を咲かせたい場合:
酸性の土壌を好むため、鹿沼土やピートモスなどを混ぜ込むと効果的です。

また、青色を鮮やかにするための「硫酸アルミニウム(ミョウバン)」が含まれた紫陽花専用の肥料も市販されています。

ピンク・赤い花を咲かせたい場合:
土壌をアルカリ性に傾けるために、「苦土石灰」や「有機石灰」を混ぜ込みます。

植え付けの2週間ほど前に土に混ぜてよく耕しておくのがポイントです。

また、ピンク色を維持するための専用肥料も利用できます。

このように、少し手間をかけて土作りをすることで、紫陽花の生育が格段に良くなり、思い通りの花色を楽しむことにも繋がります。

知っておきたい植え替えの注意点

適切な時期、場所、土の準備が整ったら、いよいよ母の日の紫陽花を鉢から庭へと植え替える作業に入ります。

この植え替え作業を丁寧に行うことが、その後の順調な生育に繋がります。

いくつかの重要な注意点を押さえて、慎重に進めましょう。

1. 根鉢を崩しすぎない

長期間鉢の中で育った紫陽花は、根が鉢の形に沿ってびっしりと張っている「根詰まり」を起こしていることがほとんどです。

鉢から株を抜いたら、この根の塊(根鉢)を少しだけほぐしてあげます。

底の部分に固まっている根を軽く手でほぐしたり、ハサミで少し切り込みを入れたりすることで、新しい土に根が伸びていきやすくなります。

しかし、ここで注意したいのは「崩しすぎない」ことです。

根鉢を完全に崩してしまうと、細い根が傷つき、株に大きなダメージを与えてしまいます。

特に、ギフト用の紫陽花はデリケートな状態なので、優しく扱うことが肝心です。

全体の3分の1程度を軽くほぐすイメージで十分です。

ガチガチに固まっていて手でほぐせない場合は、無理に力を加えず、そのまま植え付けても問題ありません。

2. 深植えを避ける

植え付け用の穴に株を置く際、深さに注意が必要です。

鉢植えの時と同じ高さになるように植えるのが基本です。

根元が土に埋まりすぎてしまう「深植え」は、根が呼吸しにくくなり、生育不良や根腐れの原因となります。

株を穴に置いたら、周囲の地面の高さと根鉢の土の高さが同じになるように調整し、その後で土を戻していきます。

植え付け後は土が少し沈むことを考慮して、若干高めに植える「浅植え」気味にするのがコツです。

3. 植え付け後の水やりはたっぷりと

土を戻し終えたら、最後に行うのが水やりです。

この最初の水やりは非常に重要で、単に水分を補給するだけが目的ではありません。

たっぷりと水を与えることで、根と新しい土の隙間をなくし、しっかりと密着させる効果があります。

植え穴の底から水が染み出してくるくらい、鉢底石を敷いた場合はその下まで水が届くイメージで、十分な量の水を与えましょう。

株元に「水鉢」と呼ばれる土手を作っておくと、水が周囲に流れ出さずに効率的に浸透させることができます。

この作業を丁寧に行うことで、根が新しい環境にスムーズに適応し、活着しやすくなります。

これらの注意点を守ることで、植え替えによる紫陽花へのダメージを最小限に抑え、健やかな成長のスタートを切らせてあげることができます。

母の日の紫陽花の地植えにおける日々の育て方

この章のポイント
  • ➤美しさを保つための剪定方法
  • ➤適切な水やりの頻度と量
  • ➤健やかな成長を促す肥料の与え方
  • ➤来年も咲かせるための年間管理スケジュール
  • ➤母の日の紫陽花の地植えで豊かな庭づくりを

美しさを保つための剪定方法

母の日の紫陽花を地植えにした後、来年も美しい花をたくさん咲かせるために欠かせない作業が「剪定」です。

剪定と聞くと難しく感じるかもしれませんが、紫陽花の性質を理解すれば、決して怖いものではありません。

適切な時期に適切な場所で切ることが、最大のポイントとなります。

なぜ剪定が必要なのか

紫陽花を剪定する目的は主に二つあります。

  • 来年の花芽を育てるため:花が終わった枝をそのままにしておくと、栄養が種を作る方に使われてしまい、来年の花付きが悪くなります。
  • 株の形を整えるため:剪定をしないと枝が伸び放題になり、株が大きくなりすぎて風通しが悪くなったり、形が乱れたりします。

風通しが悪くなると、病害虫の発生原因にも繋がります。

剪定の最適な時期

紫陽花の剪定で最も重要なのが「時期」です。

紫陽花は、夏から秋にかけて、その年に伸びた枝に来年の花芽を作ります。

そのため、剪定が遅れると、せっかくできた花芽を切り落としてしまうことになり、「来年花が咲かなかった」という最大の失敗に繋がります。

剪定のデッドラインは、一般的に「花が終わった直後から7月下旬まで」と覚えておきましょう。

お盆を過ぎてからの剪定は、花芽を切り落とすリスクが非常に高くなるため、避けるべきです。

剪定する場所

では、具体的にどこを切れば良いのでしょうか。

基本は、「花がついている枝」を剪定します。

花から下に向かって葉を数えていくと、葉の付け根に小さな芽(脇芽)が見つかります。

この脇芽の少し上で枝を切り落とします。

  1. 花から2節〜3節下の、元気の良い脇芽の上で切るのが一般的です。
  2. 節とは、葉が出ている部分のことを指します。
  3. 脇芽が左右にしっかり出ている場所を選ぶのがポイントです。ここから来年伸びる枝に花が咲きます。

その他の剪定(間引き剪定)

基本的な剪定に加えて、株の内側に向かって伸びている枝や、細くて弱々しい枝、枯れている枝なども根元から切り落とします。

これを「間引き剪定」といい、株全体の風通しと日当たりを良くする効果があります。

これにより、病気の予防になるだけでなく、残した枝に栄養が集中し、より充実した花を咲かせることができます。

正しい剪定は、紫陽花の健康を保ち、毎年の美しい開花を約束してくれる大切な作業です。

時期を逃さず、思い切ってハサミを入れましょう。

適切な水やりの頻度と量

紫陽花という名前には「水」という漢字が使われていることからも分かるように、この植物は水を非常に好みます。

鉢植えで管理していると、夏場は朝夕2回の水やりが必要になることも珍しくありません。

しかし、母の日の紫陽花の地植えの場合、水やりの考え方は少し異なります。

地植え後の水やりの基本

地植えにした紫陽花は、鉢植えとは異なり、地面深くまで根を伸ばして水分を探すことができます。

そのため、一度しっかりと根付けば、鉢植えほど頻繁に水やりをする必要はありません。

基本の考え方は「土の表面が乾いたら、たっぷりと与える」です。

毎日決まった時間に水をあげるのではなく、土の状態をよく観察して、必要かどうかを判断することが大切です。

土の表面を触ってみて、乾いていたら水やりのサインです。

与える際は、株元にちょろちょろと掛けるのではなく、根が張っている範囲全体に、水が地面の奥深くまで染み込むようにたっぷりと与えましょう。

特に水やりが重要な時期

地植えの紫陽花でも、特に注意して水やりが必要な時期がいくつかあります。

植え付け直後:
植え付けてから2週間〜1ヶ月程度は、まだ根が新しい土に馴染んでいません。

この時期は、土が乾きすぎないように、表面が乾いたら必ず水やりをしましょう。

夏場:

特に、梅雨が明けてから8月いっぱいの、晴天が続いて気温が高い時期は、地植えでも水切れを起こしやすくなります。

朝の涼しい時間帯に、土の乾き具合をチェックする習慣をつけると良いでしょう。

もし、日中に葉がぐったりしているのを見つけたら、水切れのサインかもしれません。

その場合は、夕方の涼しくなった時間帯にたっぷりと水を与えてください。

炎天下で水を与えると、水がすぐにお湯のようになり、根を傷める原因になるため注意が必要です。

水やりの注意点

水やりは、基本的に株元に行います。

葉や花に直接水をかけると、蒸れて病気の原因になったり、泥はねで病原菌が付着したりすることがあります。

また、冬場の水やりは控えめにします。

紫陽花は冬になると落葉して休眠期に入るため、多くの水分を必要としません。

土が極端に乾燥している場合を除き、自然の降雨に任せる程度で十分です。

地植えの紫陽花は、環境への適応力が高いですが、適切な水やりを心掛けることで、より健康に、そして生き生きと成長してくれます。

健やかな成長を促す肥料の与え方

母の日の紫陽花を地植えにした後、より多くの、そしてより美しい花を咲かせるためには、適切なタイミングで栄養を補給してあげること、つまり「施肥」が重要になります。

肥料を与えることで、株が元気に育ち、病気にもかかりにくくなります。

紫陽花の施肥は、主に年に2回行います。

1. お礼肥(おれいごえ)

最初のタイミングは、花が終わって剪定をした後です。

これは「お礼肥」と呼ばれ、花を咲かせるために使った体力を回復させ、来年の花芽を育てるための栄養を補給する目的があります。

剪定後、7月下旬から8月上旬頃に与えるのが一般的です。

この時期には、ゆっくりと効果が持続する「緩効性化成肥料」や、油かす、骨粉などが混ざった「有機質肥料」が適しています。

肥料の成分で言うと、花や実の成長を助ける「リン酸」や、根の成長を促す「カリ」が多く含まれているものが良いでしょう。

逆に、葉や茎を成長させる「チッソ」が多い肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂って花付きが悪くなることがあるため注意が必要です。

2. 寒肥(かんごえ)

2回目のタイミングは、冬の休眠期である12月から2月頃です。

この時期に与える肥料は「寒肥」と呼ばれ、春からの新しい芽吹きや成長のエネルギー源となります。

この肥料が、春の芽出しから梅雨時期の開花まで、株を力強く支えてくれます。

寒肥には、牛ふん堆肥や鶏ふん、腐葉土などの有機質肥料がおすすめです。

これらの有機物は、土の中でゆっくりと分解されながら栄養となるだけでなく、土をふかふかにして通気性や保水性を改善する「土壌改良」の効果も期待できます。

肥料の与え方

肥料を与える際は、株の根元に直接まくのではなく、枝の先端の真下あたりを狙って、円を描くように土に混ぜ込みます。

なぜなら、植物の根は枝が広がっている範囲と同じくらいに広がっており、水を吸収する細い根は、その先端部分に集中しているからです。

幹のすぐ近くに肥料を置いても、効率よく吸収されません。

土の表面にパラパラとまくだけでなく、軽く土と混ぜ合わせるようにすると、より効果的です。

肥料のパッケージに記載されている規定量を守り、与えすぎないように注意することも大切です。

肥料のやりすぎは、根を傷める「肥料焼け」の原因となり、逆効果になることもあります。

来年も咲かせるための年間管理スケジュール

母の日の紫陽花を地植えにして、毎年美しい花を楽しむためには、季節に合わせた年間を通した管理が大切になります。

ここでは、一年間の大まかな作業スケジュールを表にまとめてみました。

この流れを把握しておくことで、適切なタイミングで必要なお手入れができるようになります。

紫陽花の年間管理スケジュール
時期 主な作業 ポイント
3月~4月(春) 芽吹き、新芽の確認 冬の間に枯れた小枝などがあれば取り除く。新芽が伸び始めるのを見守る。
5月~6月(開花期) 開花、水やり管理 花を楽しむ時期。土が乾いたらたっぷりと水やりを行う。特に鉢植えからの地植え1年目は乾燥に注意。
6月下旬~7月下旬(花後) 剪定お礼肥 最重要作業時期。花が終わったら、なるべく早く剪定する。剪定後に緩効性肥料を与える。
8月(夏) 水やり、葉焼け対策 来年の花芽が作られる大切な時期。水切れさせないように注意する。西日が強い場合は日よけ対策も有効。
9月~10月(秋) 植え付け・植え替え適期 梅雨時期に植え替えできなかった場合のセカンドチャンス。気候が穏やかで作業しやすい。
11月(晩秋) 落葉 葉が黄色くなり、やがて落葉する。自然な生理現象なので心配不要。
12月~2月(冬) 寒肥、マルチング 休眠期に有機質肥料を与える。寒さが厳しい地域では、株元を腐葉土やバークチップで覆う(マルチング)と霜よけになる。

このスケジュールの中でも、特に重要なのが夏の「剪定」と「お礼肥」、そして冬の「寒肥」です。

この2つの時期のお手入れをしっかり行うことが、来年の花付きを良くするための最大の秘訣と言えるでしょう。

また、年間を通して病害虫のチェックも忘れないようにしましょう。

特に春の新芽が出る時期にはアブラムシが、梅雨時期にはうどんこ病が発生しやすくなります。

早期発見、早期対処が被害を最小限に抑えるコツです。

このように計画的にお手入れをすることで、母の日の紫陽花は毎年期待に応え、美しい花を咲かせてくれるはずです。

母の日の紫陽花の地植えで豊かな庭づくりを

母の日に贈られた一鉢の紫陽花。

それは、単なるプレゼントではなく、感謝の気持ちが込められた特別な存在です。

その大切な紫陽花を、適切な方法で地植えにすることで、一過性の贈り物から、毎年咲き誇る庭の宝物へと生まれ変わらせることができます。

この記事では、母の日の紫陽花の地植えを成功させるための様々なステップをご紹介してきました。

焦らずに花が終わるのを待ち、梅雨の恵みを受けながら植え替えること。

紫陽花が心地よく過ごせる半日陰の場所を選び、花色を思い描きながら土作りをすること。

そして、花後の剪定や季節ごとの施肥といった年間を通した愛情のこもった管理を行うこと。

一つ一つの作業は、決して難しいものではありません。

植物の性質を理解し、その声に耳を傾けるように丁寧にお世話をすることが大切です。

最初は小さな一株でも、年月を重ねるごとに大きく成長し、たくさんの枝を広げ、梅雨の時期には庭を彩る見事な花を咲かせてくれるでしょう。

その姿は、母の日の素敵な思い出を毎年蘇らせてくれるだけでなく、庭全体の風景を豊かにし、季節の移ろいを感じさせてくれる存在になります。

母の日の紫陽花の地植えは、単なるガーデニング作業にとどまらず、思い出を未来へと繋ぎ、育んでいく素晴らしい体験です。

ぜひ、この記事を参考にして、あなただけの大切な紫陽花を、お庭で末永く楽しんでください。

この記事のまとめ
  • ➤母の日の紫陽花はすぐ地植えせず花が終わるまで待つ
  • ➤地植えの最適時期は花後の6月下旬から7月の梅雨期
  • ➤植え付け場所は午前中に日が当たる半日陰が理想的
  • ➤土の酸度で花色が変わり酸性なら青アルカリ性ならピンクに
  • ➤植え替え時は根鉢を崩しすぎず深植えを避ける
  • ➤植え付け後は根と土を密着させるため水をたっぷり与える
  • ➤来年の花のため剪定は花後すぐ7月下旬までに行う
  • ➤剪定は花から2〜3節下の元気な脇芽の上で切るのが基本
  • ➤地植えの水やりは土の表面が乾いたらたっぷりが原則
  • ➤肥料は花後のお礼肥と冬の寒肥の年2回が効果的
  • ➤お礼肥は株の回復と来年の花芽形成を助ける
  • ➤寒肥は春からの成長を支えるエネルギー源となる
  • ➤年間スケジュールを把握し季節に合った管理を心掛ける
  • ➤病害虫は早期発見が大切で特に春と梅雨時期に注意
  • ➤母の日の紫陽花の地植えは思い出を育てる素晴らしい体験

おすすめの記事