ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時の完全ガイド
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結婚式などのおめでたい席で渡すご祝儀。

いざ準備をしようとした際に、ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった経験はありませんか。

急いでいる時に限って、水引が外れてしまい、どちらが上でどちらが下か分からなくなってしまうと、本当に焦りますよね。

ご祝儀袋には、お祝いの気持ちを正しく伝えるための様々なマナーが存在します。

水引の向きや結び方はもちろんのこと、ご祝儀袋の裏側の向きやお金の包み方、さらには中袋や短冊の書き方、そして包む金額に応じた袋の選び方まで、知っておくべきことは意外と多いものです。

特に結婚式でのご祝儀袋のマナーは、新郎新婦やそのご家族に対する敬意を示す大切な要素となります。

間違った渡し方をしてしまうと、せっかくのお祝いの気持ちが伝わらないばかりか、失礼にあたってしまう可能性も否定できません。

この記事では、ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなったというお悩みを抱える方のために、正しい上下の見分け方から、祝儀袋に関するあらゆるマナーを徹底的に解説します。

この記事を最後まで読めば、もうご祝儀袋の準備で迷うことはありません。

自信を持って、心からのお祝いを届けられるようになるでしょう。

この記事でわかること
  • ➤ご祝儀袋の水引の正しい上下の向き
  • ➤結婚式における水引の結び方の基本マナー
  • ➤ご祝儀袋の裏側の正しい折り返し方
  • ➤水引が外れたりほどけたりした時の直し方
  • ➤中袋の表面・裏面の正しい書き方
  • ➤包む金額に合わせたご祝儀袋の選び方
  • ➤お祝いの気持ちを伝えるための総合的なマナー

 

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時の正しい上下の見分け方

この章のポイント
  • ➤結婚式では「結び切り」が基本の結び方
  • ➤慶事での裏側の折り返しは上向きがマナー
  • ➤水引がほどけた・外れた時の直し方と付け方
  • ➤中袋の書き方で知っておきたいポイント
  • ➤包む金額に見合ったご祝儀袋の選び方

結婚式では「結び切り」が基本の結び方

ご祝儀袋の水引には、いくつかの種類があり、お祝い事の内容によって使い分けるのがマナーです。

特に結婚式で使われる水引は、「結び切り」または「あわじ結び」が基本となります。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時、まず確認したいのがこの結び方の形です。

結び方の意味を理解すれば、向きを間違えることは少なくなるでしょう。

結び切り・あわじ結びの意味

結び切りは、一度結ぶと解くのが難しい結び方です。

このことから、「二度と繰り返さないように」「今回一度きりでありますように」という願いが込められています。

結婚は、人生で一度きりであってほしいお祝い事の代表格です。

そのため、結婚祝いのご祝儀袋には、この結び切りの水引が用いられるのが一般的です。

あわじ結びも結び切りの一種とされ、両端を引っ張るとさらに強く結ばれる特徴があります。

これは「末永く付き合う」という意味を持ち、結婚式の水引として非常にふさわしいものとされています。

あわじ結びは見た目も華やかであるため、多くのお祝い事に使うことができます。

花結び(蝶結び)はNG

一方で、何度も結び直しができる「花結び(蝶結び)」は、結婚祝いには適していません。

花結びは、「何度あっても嬉しいお祝い事」に使われるものです。

例えば、出産祝いや入学祝い、長寿のお祝いなどがこれに該当します。

もし結婚祝いに花結びのご祝儀袋を使ってしまうと、「再婚」を連想させてしまい、大変失礼にあたります。

ご祝儀袋を選ぶ際には、まず水引の結び方が「結び切り」または「あわじ結び」になっているかを必ず確認しましょう。

この基本を押さえておけば、大きなマナー違反を避けることができます。

水引の向きの基本

水引の結び目から出ている両端の部分は、基本的に上を向いています。

これは「喜び」や「上昇」といったポジティブな意味合いを表しています。

ご祝儀袋を正面から見たときに、水引の結び目が中央にあり、そこから伸びる飾りが上を向くようにセットするのが正しい向きです。

もし水引が外れてしまい、上下がわからなくなった場合は、この「結びの端が上を向く」という原則を思い出してください。

慶事での裏側の折り返しは上向きがマナー

ご祝儀袋は、水引だけでなく、袋自体の折り方にもマナーがあります。

特に裏側の折り返し方は、慶事(お祝い事)と弔事(お悔やみ事)で明確に異なりますので、注意が必要です。

この部分を間違えると、お祝いの気持ちが正しく伝わらない可能性があります。

慶事の折り方:「幸せが上向きに」

慶事の場合、ご祝儀袋の裏側の折り返しは、下側の折り返しが上になるように重ねます。

つまり、裏側を下にして置いた時、上側の折り返しに下側の折り返しを被せる形です。

これには、「幸せを受け止める」「喜びが天を向く」といった意味が込められています。

折り返しの先端が上を向くことで、縁起が良いとされているのです。

ご祝儀袋にお金を入れた後、裏側を閉じる際には、必ずこの折り方になっているかを確認しましょう。

市販のご祝儀袋は、最初からこの形で折られていることがほとんどですが、一度開くとわからなくなりがちなので、覚えておくことが大切です。

弔事の折り方:「悲しみが下向きに」

参考までに、弔事の不祝儀袋の場合は、慶事とは逆の折り方をします。

裏側の折り返しは、上側の折り返しが下になるように重ねます。

つまり、下側の折り返しの上に、上側の折り返しを被せる形です。

これには、「悲しみを下に流す」「頭を垂れる」といった意味合いがあり、故人を偲ぶ気持ちを表します。

この違いは非常に重要なので、混同しないように気をつけましょう。

お祝い事の準備をしている時に、うっかり弔事の折り方をしてしまうと、全く逆の意味になってしまいます。

  • 慶事(お祝い事):下側の折り返しが上(先端が上向き)
  • 弔事(お悔やみ事):上側の折り返しが上(先端が下向き)

このように覚えておくと、いざという時に迷わずに済むでしょう。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時と同様に、この裏側の向きも間違えやすいポイントなので、セットで確認する習慣をつけることをお勧めします。

水引がほどけた・外れた時の直し方と付け方

ご祝儀袋の準備をしていると、うっかり水引を外してしまったり、ほどいてしまったりすることがあります。

特に、短冊に名前を書くために一度外した際に、ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなったというケースは非常に多いものです。

しかし、慌てる必要はありません。

正しい付け方と直し方を知っていれば、誰でも簡単に元通りにすることができます。

水引を付け直す手順

水引は通常、ご祝儀袋本体に帯のように巻かれています。

もし完全に外してしまった場合は、以下の手順で付け直しましょう。

  1. ご祝儀袋本体(上包み)にお金を包んだ中袋を入れ、裏側の折り返しを正しく(下側が上になるように)折ります。
  2. ご祝儀袋の表側を上に向け、水引の結び目が中央に来るように配置します。この時、結びの端が上を向くように意識します。
  3. 水引の輪になっている部分を、ご祝儀袋の左右から裏側へと回します。
  4. 裏側で、水引の端をテープなどで固定するか、水引の間に挟み込んで固定します。多くのご祝儀袋は、裏側で差し込めるように作られています。

ポイントは、水引が緩すぎず、きつすぎず、ご祝儀袋にぴったりとフィットするように調整することです。

緩いとだらしなく見えますし、きつすぎるとご祝儀袋が歪んでしまいます。

水引の上下の見分け方

もし、外した水引の上下が全く分からなくなってしまった場合は、以下の点を確認してみてください。

  • 結び目の形:結び切りやあわじ結びは、左右対称に見えても微妙なバランスがあります。多くの場合、結びの中心がやや下がり気味で、そこから飾りが上へと伸びていくデザインになっています。
  • 飾りの流れ:鶴や亀、松竹梅などの飾りが付いている場合は、その飾りが自然に見える向きが正しい向きです。鶴が逆さまになったり、松が下を向いたりすることはありません。
  • 金銀の配色:水引が金銀の場合、一般的に向かって右側が銀色、左側が金色になることが多いですが、デザインによって異なるため一概には言えません。基本的には結びの端が上を向くことを優先して考えましょう。

どうしてもわからない場合は、購入した商品のパッケージを思い出したり、同じ種類のご祝儀袋の画像をインターネットで検索して確認するのが最も確実な方法です。

焦って間違った向きで付けてしまう前に、一度冷静になって確認作業を行いましょう。

中袋の書き方で知っておきたいポイント

ご祝儀袋には、お金を直接入れるのではなく、「中袋(なかぶくろ)」または「中包み(なかづつみ)」と呼ばれる袋にお金を入れてから、それを外側の「上包み(うわづつみ)」で包むのが正式なマナーです。

この中袋にも、書き方のルールがあります。

これを正しく書くことで、誰からいくら頂いたのか、受け取った側が管理しやすくなります。

中袋の表面:金額の書き方

中袋の表面の中央には、包んだ金額を縦書きで記入します。

この際、数字は「壱、弐、参」といった旧字体の漢数字(大字)を用いるのが最も丁寧な書き方とされています。

これは、後から数字を書き換えられるのを防ぐためです。

例えば、3万円を包む場合は「金 参萬圓」または「金 参萬円」と書きます。

以下に、代表的な大字をまとめました。

アラビア数字 漢数字 大字
1
2
3
5
10
10,000

近年では、格式ばらない間柄であれば、通常の漢数字やアラビア数字で「金 30,000円」と書いても許容される風潮もあります。

しかし、特に目上の方へのお祝いや、伝統を重んじる場面では、大字で書くのが無難でしょう。

中袋に金額を記入する欄が横書きで印刷されている場合は、アラビア数字で記入して構いません。

中袋の裏面:住所と氏名の書き方

中袋の裏面の左下には、自分の住所と氏名を縦書きで記入します。

郵便番号も忘れずに書き添えましょう。

これも、新郎新婦が後で整理する際に、誰からのご祝儀かを正確に把握するために非常に重要です。

文字は、毛筆や筆ペン、または黒のサインペンなど、濃くはっきりとしたもので丁寧に書きましょう。

ボールペンや万年筆は、文字が細く、事務的な印象を与えてしまうため、避けた方が良いとされています。

もし夫婦連名で贈る場合は、中央に夫の氏名を書き、その左側に妻の名前のみを書きます。

包む金額に見合ったご祝儀袋の選び方

ご祝儀袋は、中に包む金額によって、そのデザインや格を使い分けるのがマナーです。

包む金額が少ないのに、袋だけが豪華すぎるとバランスが悪く見えますし、逆に高額を包むのに、簡素な袋では失礼にあたります。

「中身と外見のバランス」を意識することが大切です。

金額とご祝儀袋の格の目安

ご祝儀袋を選ぶ際は、パッケージに金額の目安が記載されていることが多いので、まずはそれを参考にしましょう。

一般的な目安は以下の通りです。

  • 1万円~3万円程度:水引が印刷されたタイプや、比較的シンプルな水引飾りのもの。
  • 3万円~5万円程度:金銀の水引や、少し華やかな飾りがついたもの。紙質も少し良質なものを選びます。
  • 5万円以上:鶴や亀、松竹梅などの豪華な飾りがついた、格の高いご祝儀袋。和紙など高級な素材を使ったものがふさわしいです。

特に、水引が印刷されているだけの略式のご祝儀袋は、包む金額が1万円程度までの場合に使うのが一般的です。

友人や同僚へのご祝儀で3万円を包む場合には、印刷ではなく、実際に水引が結ばれているタイプのご祝儀袋を選びましょう。

デザイン選びのポイント

最近では、伝統的なデザインだけでなく、モダンでおしゃれなデザインのご祝儀袋もたくさん販売されています。

親しい友人へのお祝いであれば、相手の好みに合わせて少しカジュアルなデザインのものを選んでも喜ばれるでしょう。

ただし、その場合でも、水引の結び方(結び切り)や、裏の折り方といった基本的なマナーは必ず守る必要があります。

どんなにおしゃれなデザインでも、マナー違反があっては台無しです。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時もそうですが、デザインに気を取られて基本的なルールを忘れてしまわないように注意が必要です。

迷った時は、伝統的で格式のあるデザインを選んでおけば、どの場面でも失礼にあたることはありません。

特に、職場の上司や恩師、親戚など、目上の方へ贈る場合は、オーソドックスなデザインのご祝儀袋を選ぶのが最も安全で、敬意を示すことにも繋がります。

 

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった人が知っておくべき基本マナー

この章のポイント
  • ➤お祝いのシーンで異なる水引の種類と意味
  • ➤短冊の表書きと名前の正しい書き方
  • ➤お金の包み方と新札を用意する理由
  • ➤袱紗(ふくさ)を使った丁寧な渡し方
  • ➤まとめ:ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時の最終確認

お祝いのシーンで異なる水引の種類と意味

水引は、単なる飾りではありません。

その色や本数、結び方の一つ一つに、古くから伝わる意味が込められています。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなったというお悩みも、水引への理解を深めることで解決に繋がります。

ここでは、結婚祝いの場面を中心に、水引の種類と意味についてさらに詳しく解説します。

水引の色

お祝い事で使われる水引の基本的な配色は、紅白、金銀、赤金などです。

  • 紅白:一般的なお祝い事全般に使われます。出産祝いや入学祝いなどでも見られます。
  • 金銀:結婚祝いや長寿祝いなど、一度きりの大切なお祝い事や、より格式の高いお祝い事に用いられます。
  • 赤金:金銀と同様に、格式の高いお祝い事に使われます。

結婚祝いのご祝儀袋では、金銀または紅白の水引が使われるのが一般的です。

弔事では、黒白、双銀、黄白などが使われるため、色を間違えることはないと思いますが、基本的な知識として覚えておくと良いでしょう。

水引の本数

水引は、通常3本、5本、7本、10本などの奇数の束で結ばれています。

これは、奇数が「陽数」とされ、縁起が良いと考えられているためです。

  1. 5本結び:最も一般的で、出産祝いや入学祝いなど、幅広いお祝い事に使われます。
  2. 7本結び:5本結びよりも丁寧な形で、少し格式の高いお祝い事に使われます。
  3. 10本結び:結婚祝い専用の特別な結び方です。5本を2束にして結んでおり、「両家が合わさる」「喜びを重ねる」といった意味合いがあります。偶数ですが、5本の倍数であることから縁起が良いとされています。

結婚祝いのご祝儀袋を選ぶ際には、この10本結びの水引を選ぶのが最も正式で丁寧な形となります。

水引の本数も、包む金額と同様に、お祝いの気持ちの度合いを表す指標の一つと考えることができます。

高額を包む場合には、10本結びの豪華な水引が付いたご祝儀袋を選ぶと、より一層気持ちが伝わるでしょう。

短冊の表書きと名前の正しい書き方

ご祝儀袋の中央、水引の下には「短冊(たんざく)」と呼ばれる細長い紙が挟まれています。

ここには、贈り物の名目である「表書き(おもてがき)」と、贈り主の「名前」を記入します。

この短冊の書き方も、ご祝儀袋のマナーにおいて非常に重要な部分です。

表書きの種類

結婚祝いの際の表書きは、「寿」または「御結婚御祝」と書くのが一般的です。

多くのご祝儀袋には、あらかじめこれらの文字が印刷された短冊や、無地の短冊が数枚入っています。

自分で書く場合は、毛筆や筆ペンを使い、楷書で丁寧にはっきりと書きましょう。

4文字の表書き(「祝御結婚」など)は、「死文字」を連想させるため避けるべき、という考え方もありますが、近年ではあまり気にされなくなってきています。

心配な方は、「寿」や「御結婚御祝」といった伝統的な表書きを選んでおけば間違いありません。

名前の書き方

表書きの下、水引を挟んだ下段の中央に、贈り主の氏名をフルネームで書きます。

表書きの文字よりも少し小さめに書くと、全体のバランスが美しく見えます。

ここでも、筆記用具は毛筆や筆ペンが望ましいです。

連名で贈る場合の書き方には、いくつかのパターンがあります。

  • 夫婦連名:中央に夫のフルネームを書き、その左に妻の名前のみを書きます。
  • 職場など(3名まで):役職や年齢が最も高い人を右から順に中央に書き、左へ順に並べていきます。序列がない場合は、五十音順で書くのが一般的です。
  • 4名以上の場合:代表者の氏名を中央に書き、その左に「外一同(他一同)」と少し小さめに書きます。そして、全員の氏名と住所、包んだ金額を記した紙を別途用意し、中袋に同封します。

名前は、受け取った側が誰からの贈り物かを判断する唯一の手がかりです。

読みやすく、丁寧な字で書くことを心がけましょう。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時、短冊を外したついでに、名前の書き方も改めて確認する良い機会かもしれません。

お金の包み方と新札を用意する理由

 

ご祝儀として包むお金にも、守るべきマナーがあります。

ただお金を中袋に入れれば良いというわけではありません。

お札の選び方から、中袋への入れ方まで、細やかな配慮をすることで、お祝いの気持ちをより深く伝えることができます。

新札を用意する意味

結婚祝いに包むお札は、必ず「新札(ピン札)」を用意するのがマナーです。

新札とは、まだ誰も使っていない、折り目のない新しいお札のことです。

これには、「この日のために、前もって準備していました」という、相手を思う気持ちを表す意味が込められています。

使い古されたお札や、シワのあるお札を包むのは、「急な不幸事ではないのだから、準備ができなかった」という印象を与えかねず、失礼にあたります。

新札は、銀行の窓口や両替機で手に入れることができます。

結婚式の招待状が届いたら、早めに銀行へ行って新札を準備しておくようにしましょう。

直前になると、銀行が閉まっていたり、新札が切れていたりする可能性もあるため、余裕を持った行動が大切です。

お札の向きと入れ方

中袋にお札を入れる際にも、向きに決まりがあります。

まず、中袋の表面(金額が書いてある方)を上に向けます。

そして、お札の肖像画(福沢諭吉の顔など)が、中袋の入り口側に来るように、そして表側を向くように揃えて入れます。

つまり、中袋からお札を取り出した時に、すぐに肖像画が見える状態が正しい入れ方です。

複数枚のお札を入れる場合は、すべてのお札の向きを揃えることを忘れないでください。

これは、お祝いの気持ちをきちんと整理して贈るという心遣いの表れです。

  1. お祝い事(慶事):お札の表(肖像画がある面)を中袋の表側に向け、肖像画が上になるように入れる。
  2. お悔やみ事(弔事):お札の裏(肖像画がない面)を中袋の表側に向け、肖像画が下になるように入れる。

このように、慶事と弔事ではお札の入れ方も全く逆になります。

ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時と同様に、細かい部分ですが、お祝いの場にふさわしい丁寧な対応を心がけましょう。

袱紗(ふくさ)を使った丁寧な渡し方

心を込めて準備したご祝儀袋も、渡し方一つで印象が大きく変わってしまいます。

ご祝儀袋をそのまま鞄やポケットから出して渡すのは、マナー違反です。

ご祝儀袋は、「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布に包んで持参し、受付で袱紗から取り出して渡すのが正式なマナーです。

袱紗を使う理由

袱紗にご祝儀袋を包むのには、2つの大切な理由があります。

一つは、水引が崩れたり、袋が汚れたりするのを防ぐためです。

ご祝儀袋を綺麗な状態のまま相手に渡すための、物理的な保護の役割があります。

もう一つの理由は、相手への敬意や礼儀を示すためです。

贈り物をむき出しで渡すのではなく、風呂敷や袱紗のようなものに包んで渡すのは、日本の美しい伝統文化です。

「謹んでお渡しします」という、丁寧な気持ちを表現することができます。

袱紗の色と包み方

袱紗にも、慶事用と弔事用があります。

慶事では、赤やオレンジ、ピンク、金色といった暖色系の明るい色の袱紗を使います。

紫色の袱紗は、慶事と弔事のどちらにも使えるため、一つ持っておくと非常に便利です。

袱紗の包み方(慶事の場合)は以下の通りです。

  1. 袱紗をひし形に広げ、中央より少し左寄りにご祝儀袋を置きます。
  2. 左、上、下の順に角を折りたたみます。
  3. 最後に右側の角を折りたたみ、裏側に回して端を挟み込みます。

最近では、ご祝儀袋を挟むだけで使える「金封袱紗」という財布のような形のものも人気です。

これなら、包む手間がなくスマートに扱えるので、不慣れな方にはおすすめです。

受付での渡し方

結婚式の受付に着いたら、まずはお祝いの言葉を述べます。

その後、鞄から袱紗を取り出し、受付係の目の前で袱紗を開きます。

右手で袱紗の右端を持ち、左手でご祝儀袋を下から支えるようにして取り出します。

取り出したご祝儀袋を、相手が文字を読める向き(時計回りに回して)にして、両手で丁寧に手渡します。

この一連の美しい所作が、お祝いの気持ちをより一層引き立ててくれるのです。

まとめ:ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなった時の最終確認

この記事では、ご祝儀袋の水引の向きがわからなくなったという緊急事態から、結婚祝いにまつわる様々なマナーまで、幅広く解説してきました。

最後に、これまでのポイントを総まとめとして振り返り、自信を持ってお祝いの席に臨むための最終確認を行いましょう。

ご祝儀袋のマナーは、一見すると複雑で覚えるのが大変だと感じるかもしれません。

しかし、その一つ一つには、相手への祝福や敬意、そして日本の美しい伝統文化が息づいています。

なぜそうするのか、その意味を理解することで、単なるルールではなく、心のこもったお祝いの表現として自然に身につけることができるはずです。

もし、再びご祝儀袋の水引の向きがわからなくなったとしても、この記事を思い出してください。

水引の結びの端は上向き、結び切りは一度きりのお祝い、裏の折り返しも上向き、これらを覚えておけば、大きな間違いは防げます。

そして何よりも大切なのは、新郎新婦の幸せを心から願う気持ちです。

マナーは、その気持ちを正しく、そして美しく伝えるための手段にすぎません。

形式にとらわれすぎるあまり、お祝いの気持ちを見失わないようにすることも重要です。

この記事が、あなたの素晴らしい一日のお手伝いとなれば幸いです。

この記事のまとめ
  • ➤ご祝儀袋の水引の向きは結びの端が上を向くのが基本
  • ➤結婚祝いの水引は「結び切り」か「あわじ結び」を選ぶ
  • ➤「花結び(蝶結び)」は再婚を連想させるため結婚祝いではNG
  • ➤ご祝儀袋の裏側の折り返しは下側が上になるように折る
  • ➤水引が外れたら結び目が中央に来るように付け直す
  • ➤中袋の表面には旧漢字(大字)で金額を記入する
  • ➤中袋の裏面には自分の住所と氏名を丁寧に書く
  • ➤包む金額とご祝儀袋の格のバランスを考える
  • ➤結婚祝いの水引は10本結びが最も丁寧な形
  • ➤短冊の表書きは「寿」か「御結婚御祝」が一般的
  • ➤お金は必ず折り目のない「新札」を用意する
  • ➤お札は肖像画を上向きにして中袋に入れる
  • ➤ご祝儀袋は袱紗に包んで持参するのが正式マナー
  • ➤受付では袱紗から取り出し相手の向きで両手で渡す
  • ➤マナーは新郎新婦への祝福の気持ちを伝えるための手段

 

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