友人の新築パーティーに招待されたけれど、お祝いの品とは別に手土産は必要なのだろうか、と迷った経験はありませんか。
新築祝いの手土産は別で用意するべきかという問題は、多くの人が一度は抱く疑問かもしれません。
お祝いの気持ちを込めたプレゼントは準備したけれど、それとは別に訪問時の手土産も持っていくべきなのか、もし両方用意する場合の相場やマナーはどうすれば良いのか、考え始めると次々と疑問が浮かんできます。
特に、相手から「手ぶらで来てね」と言われた場合、その言葉を文字通り受け取って良いものか迷うところです。
また、親しい友達への新築祝いと、上司や目上の方への新築祝いでは、品物の選び方や渡し方、タイミングも異なってくるでしょう。
お祝いの気持ちをスマートに伝えるためにも、現金や商品券は選択肢としてありなのか、品物を選ぶ際のポイントや、のしの書き方といった細かいマナーまで、しっかりと把握しておきたいものです。
この記事では、新築祝いの手土産は別で用意すべきかという疑問を解消し、訪問する際に知っておくべき一連のマナーや、具体的な品物選びのヒントを網羅的に解説していきます。
- ➤新築祝いと手土産を両方用意する必要性
- ➤訪問時に守るべき基本的なマナー
- ➤お祝いと手土産の適切な金額相場
- ➤手土産にのしが必要かどうかとその書き方
- ➤お祝いと手土産を渡す最適なタイミング
- ➤「手ぶらで来てね」と言われた際のスマートな対応
- ➤友人や目上の人など関係性に応じた贈り物の選び方
新築祝いの手土産は別と考えるべき?基本マナーを解説
- ➤新築祝いと手土産は両方用意するべき?
- ➤覚えておきたい訪問時の基本的なマナー
- ➤お祝いと手土産それぞれの相場はどのくらい?
- ➤手土産に「のし」は必要?書き方の違い
- ➤訪問当日に渡すベストなタイミング
新築祝いと手土産は両方用意するべき?
新築の家に招かれた際、多くの人が頭を悩ませるのが「お祝いの品と手土産、両方必要なのか」という問題です。
結論から言うと、基本的には両方を用意するのが最も丁寧なマナーとされています。
そもそも、「新築祝い」と「手土産」はその目的と意味合いが全く異なります。
「新築祝い」は、家という大きな買い物を成し遂げ、新しい生活のスタートを切ったことへのお祝いの気持ちを示す、フォーマルな贈り物です。
これは記念品としての意味合いが強く、相手の新しい暮らしに役立つものや、記念に残るような品物が選ばれることが多いでしょう。
一方で「手土産」は、自宅に招待してくれたことへの感謝の気持ちや、「これからお邪魔します」という挨拶の意味を込めた、カジュアルな贈り物です。
これはその場で皆で楽しむためのお菓子や飲み物など、いわゆる「消えもの」が選ばれるのが一般的です。
この二つを混同せず、新築祝いの手土産は別個のものとして準備することが、相手への深い配慮を示すことにつながります。
もちろん、関係性によっては少し考え方が変わる場合もあります。
例えば、非常に親しい友人や気心の知れた親戚であれば、「お祝いは後日渡すから、今日は手土産だけ持ってきたよ」という形も許容されるかもしれません。
しかし、相手が上司や先輩、あるいはそれほど親しくない知人である場合は、マナーに則って両方を用意する方が無難です。
両方を用意することで、「お祝いの気持ち」と「招待への感謝」の両方を明確に伝えられ、より丁寧な印象を与えることができるのです。
新築祝いの準備をする際には、この二つの贈り物の違いを意識して、それぞれに心を込めて選んでみてください。
覚えておきたい訪問時の基本的なマナー
新築の家にお呼ばれした際には、贈り物だけでなく、訪問時の立ち居振る舞いにも気を配ることが大切です。
相手への祝福と感謝の気持ちを伝えるためにも、基本的なマナーをしっかりと押さえておきましょう。
まず、訪問時間です。
約束の時間よりも早すぎる到着は、準備中の相手を慌てさせてしまう可能性があります。
かといって、大幅な遅刻は言うまでもなく失礼にあたります。
約束の時間の2〜3分後くらいに到着するのが、相手に負担をかけないスマートなタイミングと言えるでしょう。
もし交通事情などで遅れそうな場合は、必ず事前に連絡を入れるのがマナーです。
玄関先では、まず「本日はおめでとうございます。お招きいただきありがとうございます」といったお祝いと感謝の言葉を伝えます。
コートや上着は、玄関に入る前に脱いでおくのが礼儀です。
家の中に入る際は、「お邪魔します」の一言を忘れずに伝えましょう。
家の中を案内された際には、積極的に感想を伝えることが喜ばれます。
「日当たりが良くて素敵なリビングですね」「木の香りがして落ち着きますね」など、具体的な言葉で褒めることで、家づくりにこだわった相手の喜びも一層増すはずです。
ただし、許可なく部屋のドアを勝手に開けたり、収納を覗き込んだりするような行動は絶対に避けましょう。プライベートな空間に土足で踏み込むような行為は、相手に不快感を与えてしまいます。
また、小さなお子様連れの場合は特に注意が必要です。
走り回って壁や家具を傷つけたり、汚したりしないよう、常に目を配っておくことが求められます。
お暇するタイミングも重要です。
あまり長居しすぎると、相手を疲れさせてしまうかもしれません。
他の訪問客がいる場合は場の空気を読み、キリの良いタイミングで「そろそろお暇します」と切り出す配慮も大切です。
これらのマナーを守ることで、お祝いの気持ちがより深く伝わり、素晴らしい関係性を築く一助となるでしょう。
お祝いと手土産それぞれの相場はどのくらい?
新築祝いと手土産、両方を用意するとなると、気になるのがそれぞれの予算です。
適切な金額は、相手との関係性によって大きく変わってきます。
ここでは、関係性別の一般的な相場について解説します。
これから紹介する金額はあくまで目安であり、ご自身の経済状況や相手との付き合いの深さに合わせて調整することが大切です。
関係性別・新築祝いの相場
まず、フォーマルな贈り物である「新築祝い」の相場から見ていきましょう。
これは新しい門出を祝う気持ちを表すものなので、ある程度の金額の品物や現金を贈るのが一般的です。
- 兄弟・姉妹や親戚:10,000円〜30,000円程度。特に親しい間柄であれば、50,000円以上を贈ることもあります。
- 友人・知人:5,000円〜10,000円程度。複数人の友人と連名で、少し高価な家電などを贈るケースも人気です。
- 職場の上司:5,000円〜10,000円程度。あまり高価すぎるとかえって気を遣わせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
- 職場の同僚・部下:3,000円〜10,000円程度。こちらも連名で贈ることが多いです。
関係性別・手土産の相場
次に、招待への感謝を示す「手土産」の相場です。
こちらは新築祝いとは異なり、相手に気を遣わせない程度の金額に収めるのがポイントです。
一般的には、1,000円〜3,000円程度が目安とされています。
新築祝いの品物を豪華にしたからといって、手土産まで高価なものにする必要はありません。
むしろ、手土産はあくまで「ちょっとした心遣い」です。
1,000円台でも、パッケージがおしゃれなお菓子や、少し珍しいジュースなど、センスの光る品物はたくさんあります。
3,000円程度の予算があれば、デパ地下で人気のスイーツや、質の良いコーヒー・紅茶のセットなど、かなり選択肢が広がるでしょう。
大切なのは金額そのものよりも、「皆で一緒にいただきたいなと思って」という気持ちです。
以下の表に、関係性別の相場をまとめましたので、参考にしてみてください。
関係性 | 新築祝いの相場 | 手土産の相場 |
---|---|---|
兄弟・姉妹・親戚 | 10,000円~30,000円 | 2,000円~5,000円 |
友人・知人 | 5,000円~10,000円 | 1,000円~3,000円 |
職場の上司 | 5,000円~10,000円 | 2,000円~3,000円 |
職場の同僚・部下 | 3,000円~10,000円 | 1,000円~3,000円 |
手土産に「のし」は必要?書き方の違い
贈り物のマナーとして欠かせない「のし」。
新築祝いの品には当然つけるものとして認識されていますが、「手土産にも『のし』は必要なのだろうか」と迷う方も少なくありません。
結論として、基本的に手土産に「のし」は不要です。
手土産は、あくまで訪問時の挨拶代わりのカジュアルな贈り物です。
そのため、格式張ったのしをかける必要はなく、リボンやシールなどでラッピングされたもので十分気持ちは伝わります。
むしろ、大げさなのしがかかっていると、相手に「そんなに気を遣わなくてもいいのに」と、かえって恐縮させてしまう可能性もあります。
一方で、新築祝いの贈り物には、必ず「のし」をかけましょう。
これはお祝い事の正式なマナーです。
ここで重要になるのが、水引の選び方と表書きの書き方です。
新築祝いの「のし」マナー
- 水引:「紅白の蝶結び」を選びます。蝶結びは、何度でも結び直せることから、「何度あっても嬉しいお祝い事」に使われます。新築や出産などがこれにあたります。結婚祝いなどで使われる「結び切り」は一度きりのお祝い事に使うものなので、間違えないように注意しましょう。
- 表書き:水引の上段中央に、毛筆や筆ペンで「祝御新築」「御新築御祝」「御祝」などと書きます。4文字は縁起が悪いとする考え方もあるため、「祝御新築」が最も一般的で丁寧です。
- 名入れ:水引の下段中央に、表書きよりも少し小さめの文字で、贈り主の名前を書きます。夫婦連名の場合は中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前のみを書きます。
手土産に「のし」をかける場合
前述の通り手土産にのしは必須ではありませんが、「どうしても丁寧に気持ちを伝えたい」という場合や、地域の慣習などでのしをかける選択をすることもあるでしょう。
その場合は、新築祝いの「のし」とは少し異なる、より簡略化された形式を選びます。
水引は紅白の蝶結びで良いですが、表書きは「御挨拶」や「御伺」とするのが一般的です。
あるいは、水引やのしが印刷された「短冊のし」を使い、名前だけを書いて品物の箱に貼り付けるだけでも十分丁寧な印象になります。
重要なのは、メインの「新築祝い」とサブの「手土産」とで、贈り物の格に差をつけるという意識です。
両方に同じように立派なのしをかけてしまうと、どちらが主役の贈り物なのか分かりにくくなってしまいます。
基本は「新築祝いには正式なのしを、手土産はカジュアルに」と覚えておくと良いでしょう。
訪問当日に渡すベストなタイミング
心を込めて選んだ新築祝いと手土産。
せっかくなら、最もスマートで相手に喜ばれるタイミングで渡したいものです。
実は、「新築祝い」と「手土産」では、渡すのに最適なタイミングが異なります。
この違いを知っておくだけで、当日の立ち居振る舞いがぐっと洗練されます。
手土産を渡すタイミング
手土産は、玄関先で挨拶をする際に渡すのがベストです。
インターホンを押し、相手がドアを開けてくれたら、「本日はおめでとうございます。お招きいただきありがとうございます。ささやかですが、皆さんで召し上がってください」といった言葉と共に、品物を紙袋から出して手渡します。
なぜ玄関先が良いのでしょうか。
手土産には、お菓子や飲み物、アイスクリームといった冷蔵・冷凍が必要なものが選ばれることも多いからです。
玄関先で最初に渡すことで、相手はすぐに中身を確認し、キッチンへ運んで冷蔵庫に入れるなどの対応ができます。
リビングに通されてから渡すと、相手はまた玄関の方にある冷蔵庫まで往復する手間がかかってしまいます。
また、手土産は「これからお邪魔します」という挨拶の印でもあるため、家の中に入る前に渡すのが自然な流れなのです。
品物を渡す際は、紙袋や風呂敷から出して、品物本体を相手の正面に向けて差し出すのが丁寧なマナーです。
持ち帰ってもらうための紙袋は、さっとたたんで自分で持ち帰りましょう。
新築祝いを渡すタイミング
一方、メインの贈り物である「新築祝い」は、玄関先で渡すのは少し慌ただしく、適切ではありません。
新築祝いは、リビングなどに通され、少し落ち着いてから渡すのが一般的です。
家の中を案内してもらい、一通り拝見した後や、席について歓談が始まったタイミングなどが良いでしょう。
「遅くなりましたが、こちら、ささやかなお祝いの気持ちです。新しい生活の記念にしてください」などの言葉を添えて渡します。
手土産と違って、新築祝いはすぐに開封したり冷蔵庫に入れたりする必要がないものがほとんどです。
そのため、相手がもてなしで忙しくしている到着直後ではなく、少しゆとりができたタイミングで渡す方が、相手もゆっくりと受け取ることができます。
大きな品物や重い品物の場合は、床に直接置かず、サイドテーブルなどがあれば一度そこに置かせてもらい、相手に手渡すとより丁寧です。
このように、2つの贈り物を渡すタイミングをずらすことで、それぞれの贈り物の意味合いがより明確になり、相手への細やかな配慮が伝わります。
新築祝いの手土産は別で用意する場合の選び方と渡し方
- ➤相手に喜ばれるおすすめの品物
- ➤「手ぶらで来てね」と言われた時の対応
- ➤親しい友達へ贈る場合に気を付けたいこと
- ➤現金や商品券を手土産にするのはあり?
- ➤結論:新築祝いの手土産は別という心遣いが大切
相手に喜ばれるおすすめの品物
新築祝いの手土産は、お祝いの品物とは別に、訪問時の感謝の気持ちを伝えるためのものです。
そのため、相手に気を遣わせず、その場で皆で楽しめるような「消えもの」が最適です。
ここでは、具体的におすすめの品物をいくつか紹介します。
定番で間違いのない「お菓子・スイーツ」
手土産の王道といえば、やはりお菓子やスイーツです。
選ぶ際のポイントは、切り分ける手間がかからない個包装のものや、常温で保存できる焼き菓子などです。
ホストは当日、お客様のおもてなしで忙しくしているため、包丁やお皿を用意する必要があるホールケーキなどは、かえって負担になってしまうことがあります。
- 焼き菓子の詰め合わせ:クッキーやフィナンシェ、マドレーヌなどは日持ちもして、好き嫌いが分かれにくいので安心です。有名パティスリーのものや、パッケージがおしゃれなものを選ぶと特別感が出ます。
- 季節の和菓子:季節感のある上生菓子や、水ようかんなども喜ばれます。特に、ご年配の方がいるご家庭への手土産におすすめです。
- シュークリームやプリン:個別にカップに入っているものなら、すぐに食べられて便利です。お子さんがいるご家庭にも人気があります。
会話が弾む「飲み物」
飲み物も手土産の定番です。
「これで乾杯しましょう」「食後にいかがですか」と一言添えて渡すことができます。
相手の好みや家族構成を考慮して選ぶのがポイントです。
- こだわりのジュース:お酒を飲まない方や、お子さんがいるご家庭には、果汁100%の高級ジュースや、珍しい野菜ジュースなどが喜ばれます。
- コーヒー・紅茶のセット:豆や茶葉にこだわりのある方には、有名な専門店のものや、オーガニックのものがおすすめです。手軽に楽しめるドリップバッグやティーバッグのタイプも便利です。
- お酒:相手がお酒好きだと分かっている場合は、スパークリングワインやシャンパン、少し珍しいクラフトビールなども良いでしょう。ただし、好みがわからない場合は避けた方が無難です。
避けた方が良い品物
一方で、手土産として避けた方が良い品物もあります。
代表的なのは、香りの強い花や、場所を取る大きな観葉植物です。新築の家は、新しい建材の匂いや、住む人がこれから作っていく香りの空間です。
強い香りの花は、その邪魔をしてしまう可能性があります。
また、観葉植物は相手のインテリアの趣味に合わない場合や、手入れを負担に感じさせてしまうこともあるため、避けるのが賢明です。
新築祝いの手土産は別という考え方のもと、あくまで主役はホストであり、その負担を少しでも軽くするような品物選びを心がけましょう。
「手ぶらで来てね」と言われた時の対応
新築の家に招待された際、ホストから「当日は手ぶらで来てね」と言われることがあります。
これは日本の文化における一種の社交辞令であり、相手に余計な気を遣わせたくないという配慮からくる言葉です。
しかし、この言葉を鵜呑みにして、本当に何も持たずに行くのは避けた方が良いでしょう。
多くの場合、完全に手ぶらで訪問すると、かえって自分が気まずい思いをしたり、相手に「本当に手ぶらで来たんだ…」と少しがっかりさせてしまったりする可能性があります。
もちろん、言葉通りに受け取ってほしいと心から思っている人もいますが、その真意を見極めるのは非常に困難です。
そのため、「手ぶらで来てね」と言われた場合でも、1,000円〜2,000円程度のささやかな手土産を持参するのが、最もスマートで無難な対応と言えます。
スマートな手土産の選び方と渡し方
このような状況で手土産を選ぶ際のポイントは、「相手に気を遣わせないこと」と「大げさにならないこと」です。
高価なものや、立派な箱に入った菓子折りなどは、相手の「気を遣わせたくない」という気持ちを無下にしてしまうため、ふさわしくありません。
おすすめなのは、以下のような品物です。
- ちょっとしたお菓子:「近くの美味しいケーキ屋さんで買ってきたので、食後にでも皆さんで」と言って渡せるような、数個入りのケーキやシュークリーム。
- 飲み物:「お祝いに乾杯できればと思って」と、スパークリングジュースやビールなどを数本。
- パン:「明日の朝ごはんにでも」と、人気のパン屋さんのパンを少し。
渡す際にも一言添えるのがポイントです。
「手ぶらでと言っていただいたのですが、どうしても気持ちばかり…」「大したものではないのですが、お口汚しにどうぞ」といった謙虚な言葉を添えることで、相手も素直に受け取りやすくなります。
「手ぶらで来てね」という言葉は、あくまで「高価な新築祝いは用意しなくていいよ」というメッセージと受け止め、訪問時の感謝を示すちょっとした手土産は用意するのが大人のマナーです。
新築祝いの手土産は別で用意するという原則はここでも活きてきます。
メインのお祝いは言葉通り控えるか後日にするとしても、訪問に対する手土産という心遣いは忘れないようにしましょう。
親しい友達へ贈る場合に気を付けたいこと
相手が気心の知れた親しい友人である場合、新築祝いのマナーも少し柔軟に考えて良いでしょう。
上司や目上の方への贈り物ほど、形式にこだわる必要はありません。
しかし、「親しき中にも礼儀あり」という言葉の通り、最低限の配慮は忘れないようにしたいものです。
リクエストを聞いてみる
親しい友人であれば、ストレートに「何か欲しいものある?」と聞いてしまうのが一番です。
新生活には何かと物入りなもの。
自分ではなかなか買えないけれど、あると便利な家電や、好みのデザインのインテリア雑貨など、具体的なリクエストが聞けるかもしれません。
リクエストされたものを贈れば、相手にとって本当に必要なものをプレゼントできるため、喜ばれること間違いなしです。
もしリクエストが特にない場合は、友人同士で連名にして、少し高価なものを贈るのも良い方法です。
一人では予算的に難しいコーヒーメーカーやホットプレート、高品質なタオルセットなども、数人で出し合えば立派な贈り物ができます。
手土産は「みんなで楽しむ」をコンセプトに
新築祝いの品物を事前に送ったり、リクエストに応えたりした場合でも、訪問当日の手土産は持参するのがおすすめです。
この場合の手土産は、堅苦しいものではなく、「新居でのパーティーを一緒に楽しむ」ためのアイテムが良いでしょう。
例えば、少し珍しいおつまみやチーズの盛り合わせ、みんなで飲みたいお酒やジュース、デザートになるようなアイスクリームなどです。
「これ、みんなで食べようと思って持ってきたよ!」と渡せば、パーティーが一層盛り上がります。
ホストの準備の負担を軽くするという意味でも、一品持ち寄りのような感覚の手土産は非常に喜ばれます。
内輪のノリも大切に
友人関係だからこそできる、少しユニークなプレゼントも良い思い出になります。
例えば、学生時代の思い出の写真を飾るためのデジタルフォトフレームや、共通の趣味に関するアイテムなども選択肢の一つです。
ただし、あまりに奇抜すぎるものや、相手のインテリアの趣味を無視したデザインのものは避けるべきです。
あくまで主役は友人とその新しい家であることを忘れずに、お祝いの気持ちが伝わる品物を選びましょう。
親しい友人への贈り物では、新築祝いの手土産は別という基本を念頭に置きつつも、形式よりも「相手を想う気持ち」を大切に、柔軟な発想で選ぶことが成功の秘訣です。
現金や商品券を手土産にするのはあり?
贈り選びに迷ったとき、現金や商品券は相手が好きなものを選べるため、非常に実用的で便利な選択肢です。
実際に、「新築祝い」として現金や商品券を贈ることは、マナー違反ではありませんし、むしろ喜ばれるケースも多々あります。
では、「手土産」として現金や商品券を渡すのはどうなのでしょうか。
この点については、明確に「避けるべき」と言えます。
なぜなら、「新築祝い」と「手土産」では、その持つ意味合いが根本的に異なるからです。
「新築祝い」は、新しい門出を祝うためのフォーマルな贈り物です。
生活の足しにしてください、好きなものを買うのに役立ててください、という意図で現金を贈ることは、合理的な選択として受け入れられます。
しかし、「手土産」は、訪問時の挨拶であり、招待してくれたことへの感謝の気持ちを表す、よりパーソナルでカジュアルな贈り物です。
その場に現金や商品券を差し出すのは、あまりにも直接的で生々しく、風情がありません。
手土産として現金を渡されると、相手は「もてなしを催促された」ような気分になったり、どう反応していいか分からず困惑してしまったりする可能性があります。
「このお金で何か買ってください」と言われても、その場で使うわけにもいかず、扱いに困るでしょう。
手土産の役割は、その場の雰囲気を和ませ、会話のきっかけを作ることにもあります。
「このお菓子、とても美味しいんですよ」「このジュース、珍しいでしょう」といった会話は、品物があってこそ生まれるものです。
現金では、そうしたコミュニケーションは生まれません。
したがって、贈り物を選ぶ際には、新築祝いの手土産は別のものであるということを再度認識し、それぞれの目的に合った品物を選ぶことが重要です。
もし実用性を重視したいのであれば、「新築祝い」の方を現金や商品券にし、当日の「手土産」には1,000円〜3,000円程度のお菓子や飲み物を用意する、という形が最もスマートで、相手にも喜ばれる方法です。
結論:新築祝いの手土産は別という心遣いが大切
これまで、新築祝いと手土産の違いや、それに伴うマナーについて詳しく見てきました。
様々なルールや相場があり、少し難しく感じられたかもしれません。
しかし、全ての根底にあるのは、相手を思いやる「心遣い」です。
この記事の結論として、新築祝いの手土産は別で用意するという行動そのものが、相手への敬意と祝福、そして感謝の気持ちを最も豊かに表現する方法であると言えるでしょう。
「新築祝い」という形で、人生の大きな節目を迎えたことへの祝福をしっかりと示す。
そして、それとは別に「手土産」という形で、大切な我が家へ招いてくれたことへの感謝を伝える。
この二つの贈り物を分けることで、あなたの丁寧で細やかな心遣いが相手に深く伝わります。
それは、単に「マナーを知っている」ということ以上に、相手との良好な関係を築きたいという真摯な姿勢の表れです。
もちろん、友人関係の近さや、相手の性格、あるいは「手ぶらで来てね」という言葉の真意など、考慮すべき点は様々です。
マナーを絶対的な規則としてがんじがらめに考える必要はありません。
最も大切なのは、相手の立場に立って、「どうすれば相手が喜んでくれるだろうか」「どうすれば負担に感じさせないだろうか」と考えることです。
その結果として、新築祝いの品をリクエストされたものにし、手土産には皆で楽しめる飲み物を持っていくという選択になるかもしれません。
あるいは、フォーマルな間柄であれば、マナーに則って相場通りの品物と手土産を、適切なタイミングで渡すという形になるでしょう。
新築祝いの手土産は別、という考え方を基本の軸として持っておけば、どんな状況でも自信を持ってスマートに対応できるはずです。
新しい門出を迎えた大切な人の笑顔を思い浮かべながら、心を込めて贈り物を選んでみてください。
その気持ちは、必ず相手に届くでしょう。
- ➤新築祝いと手土産は目的が異なるため別に用意するのが丁寧
- ➤新築祝いは門出を祝う記念品、手土産は招待への感謝の印
- ➤訪問時間は約束の2~3分後が理想的
- ➤家の中では無断で部屋を開けたり収納を覗かない
- ➤新築祝いの相場は友人なら5千円~1万円、親族なら1~3万円が目安
- ➤手土産の相場は関係性を問わず1千円~3千円程度が一般的
- ➤新築祝いには紅白蝶結びののしを付け「祝御新築」と書く
- ➤手土産にのしは基本的に不要だが付けるなら「御挨拶」とする
- ➤手土産は玄関先で挨拶と共に渡し、冷蔵庫への配慮を示す
- ➤新築祝いの品はリビング等で落ち着いてから渡すのがスマート
- ➤手土産には個包装のお菓子や飲み物など「消えもの」が最適
- ➤「手ぶらで来てね」は社交辞令と捉え千円程度の菓子折りを持参すると良い
- ➤親しい友人には欲しいものを直接聞くのも一つの方法
- ➤手土産として現金や商品券を渡すのはマナー違反
- ➤新築祝いの手土産は別という考え方は相手への心遣いの表れ