
胡蝶蘭についてはコチラもお読みください。
この度は、ご新築おめでとうございます。
新しい門出を迎え、期待に胸を膨らませていることでしょう。
そんな喜ばしいタイミングで、勤めている会社から新築祝いをいただくケースは少なくありません。
しかし、新築祝いを会社からいただいた際に、お返しは必要なのか、相場はどのくらいなのか、そしてどのようなマナーがあるのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、福利厚生の一環なのか、それとも慶弔見舞金としてなのかによって対応が異なるため、判断が難しいものです。
また、のしの書き方や課税の有無、お礼を伝えるタイミングなど、気になる点は多岐にわたります。
社長個人からいただいた場合や、職場一同からの贈り物に対する品物の選び方など、状況に応じた適切な対応が求められるでしょう。
この記事では、そうした新築祝いを会社からいただいた際のあらゆる疑問を解消し、スマートに対応するための知識を網羅的に解説します。
正しいマナーを身につけ、感謝の気持ちをしっかりと伝えることで、職場での良好な人間関係を維持し、より良いスタートを切りましょう。
- ➤会社からの新築祝いが福利厚生かどうかの見分け方
- ➤新築祝いのお返しの要不要を判断する基準
- ➤会社への新築祝いのお返しの適切な相場
- ➤内祝いを贈る際の「のし」の正しいマナーと書き方
- ➤感謝を伝えるお礼状の作成ポイントと送るタイミング
- ➤会社からの新築祝いが課税対象になるかの解説
- ➤社長や職場一同など相手別の最適な対応方法
新築祝い会社からのお返しは必要?基本マナー
- ➤会社の福利厚生か慶弔見舞金かを確認しよう
- ➤会社から頂く新築祝いの相場はいくらが目安?
- ➤新築祝いのお返し(内祝い)は基本的に不要なケースも
- ➤お返しを贈る場合の「のし」の正しい書き方
- ➤感謝の気持ちを伝えるお礼状の書き方とタイミング
会社の福利厚生か慶弔見舞金かを確認しよう
新築祝いを会社からいただいた場合、まず最初に確認すべき最も重要な点があります。
それは、そのお祝いが「福利厚生」の一環として支給されたものか、それとも「慶弔見舞金」として有志や会社から贈られたものか、という点です。
この違いによって、お返し(内祝い)の必要性が大きく変わってくるため、慎重な確認が求められます。
福利厚生費として支給される場合
会社の福利厚生制度に基づいて一律で支給される新築祝いは、従業員の生活支援や労働意欲の向上を目的としたものです。
給与の一部と見なされることもあり、この場合は原則としてお返しの必要はありません。
会社の就業規則や慶弔見舞金規程などに「新築祝い金」といった項目で明記されていることが多く、定められた金額が全従業員に平等に支給されます。
もしお返しをしてしまうと、かえって会社側が気を遣うことになりかねません。
福利厚生による支給の場合は、お返しは不要と覚えておくのが基本です。
その代わり、直属の上司や総務部の担当者へ、直接口頭で感謝の気持ちを伝えることが丁寧な対応と言えるでしょう。
慶弔見舞金や有志からの贈り物の場合
一方で、会社の福利厚生制度とは別に、社長個人や役員、部署のメンバーからの「お気持ち」として贈られるケースもあります。
「社員一同」や「〇〇部一同」といった形で贈られた場合も同様です。
このようなケースは、就業規則に基づかない任意の贈り物であるため、福利厚生費ではなく交際費などから支出されていることが考えられます。
この場合は、個人からいただいたお祝いと同様に、感謝の気持ちとしてお返し(内祝い)を準備するのが一般的なマナーとなります。
確認方法はどうすればよいか
福利厚生かどうかの判断に迷った際は、一人で悩まずに確認することが大切です。
最も確実な方法は、総務部や人事部の担当者に直接問い合わせることでしょう。
「この度、新築祝いをいただきまして誠にありがとうございます。
こちらのお祝いは福利厚生の制度によるものでしょうか」といった形で、丁寧にお伺いを立てるとスムーズです。
また、過去に同じように新築祝いを受け取った先輩社員に相談してみるのも良い方法です。
社内の慣例や暗黙のルールを教えてもらえるかもしれません。
自己判断で誤った対応をしてしまう前に、まずは正確な情報を得ることが、マナー違反を避けるための第一歩です。
会社から頂く新築祝いの相場はいくらが目安?
会社から新築祝いをいただく際、その金額の相場も気になるポイントの一つです。
相場を把握しておくことで、お返しを準備する際の予算も立てやすくなります。
会社からの新築祝いの金額は、会社の規模や規定、役職などによって大きく異なりますが、一般的な目安は存在します。
福利厚生として支給される場合の相場
福利厚生の一環として支給される場合、金額は社内規定によって明確に定められています。
一般的な企業では、1万円から5万円程度が相場とされています。
特に中小企業では1万円~3万円、大企業になると3万円~5万円、あるいはそれ以上のケースも見られます。
この金額はあくまで目安であり、勤続年数や役職に応じて変動することもあります。
繰り返しになりますが、この場合はお返しが不要なため、金額の大小にかかわらず、感謝の気持ちを言葉で伝えることが重要です。
会社の福利厚生規定を確認すれば、正確な支給額がわかります。
「会社名義」で贈られる場合の相場
福利厚生とは別に、会社名義(代表取締役の名前で)で贈られる場合、その関係性によって金額は変動します。
取引先などではなく、自社の社員へ贈る場合は、1万円から3万円程度が一般的な相場と言えるでしょう。
このケースでは、お返しを準備するのがマナーです。
いただいた金額の3分の1から半額程度の品物を選ぶのが目安となります。
「部署一同」など連名でいただく場合の相場
部署の同僚や上司など、複数人からの連名で新築祝いをいただくことも多いでしょう。
この場合の相場は、一人あたり500円から3,000円程度で、それを集めた総額が贈られます。
例えば、10人の部署で一人1,000円ずつ集めた場合は、合計1万円となります。
お返しをする際は、いただいた総額を人数で割り、一人あたりの金額を算出します。
その一人あたりの金額の3分の1から半額程度の品物を、人数分用意するか、全員で分けられるような菓子折りなどを用意するのが一般的です。
- 福利厚生の場合:1万円~5万円(お返し不要)
- 会社名義(慶弔費など)の場合:1万円~3万円(お返し必要)
- 部署一同などの場合:一人あたり500円~3,000円(お返し必要)
これらの相場はあくまで一般的な目安です。
大切なのは金額に一喜一憂するのではなく、お祝いしてくださった気持ちに感謝し、その気持ちを誠実に伝えることです。
新築祝いのお返し(内祝い)は基本的に不要なケースも
新築祝いを会社からいただいた場合、感謝の気持ちを込めてお返し(内祝い)を考えるのが自然な流れです。
しかし、全てのケースでお返しが必要というわけではありません。
状況によっては、お返しをしないことがマナーとされる場合もあります。
ここでは、お返しが基本的に不要とされる具体的なケースについて詳しく解説します。
会社の福利厚生制度による祝い金
最も代表的なお返し不要のケースは、前述の通り、会社の福利厚生制度に基づいて支給される祝い金です。
これは、会社が従業員の生活を支えるために設けている制度であり、業務の一環と考えることができます。
そのため、個人的な贈り物とは性質が異なり、返礼は求められていません。
もし就業規則や慶弔規程に「新築祝金」などの項目があり、それに基づいて支給されたことが明らかであれば、お返しは不要です。
お返しをする代わりに、上司や総務担当者へ口頭で丁寧にお礼を述べることが、最も適切な対応となります。
「この度は、新築祝い金をいただき誠にありがとうございました。
お心遣いに感謝申し上げます」といったように、感謝の意を明確に伝えましょう。
会社の規定で「お返し不要」と定められている場合
企業によっては、慶弔見舞金に関する内規で「社員からの返礼は辞退する」といった趣旨のルールを設けていることがあります。
これは、社員に余計な金銭的負担をかけさせないための配慮です。
このような規定があるにもかかわらずお返しを贈ってしまうと、かえってルールを破ることになり、相手を困惑させてしまう可能性があります。
お返しを準備する前に、自社の慶弔関連の規定に一度目を通しておくことをお勧めします。
不明な点があれば、先輩や総務部に確認するのが確実です。
お祝いの金額が少額である場合
職場一同からのお祝いなどで、いただいた金額が一人あたりに換算すると非常に少額(例えば1,000円未満など)になる場合、お返しをするとかえって相手に気を使わせてしまうことがあります。
この場合は、高価な品物でお返しをするのではなく、休憩時間に皆で分けられるようなお菓子を持参したり、旅行のお土産を渡したりする形で、さりげなく感謝の気持ちを示すのがスマートです。
「先日はお祝いをいただきありがとうございました。
ささやかですが、皆さんで召し上がってください」と一言添えるだけで、気持ちは十分に伝わります。
お返しをするかしないかの判断は、まずそのお祝いの性質を見極めることが重要です。
福利厚生なのか、有志からの贈り物なのかを正しく理解し、それぞれの状況に合った最適な方法で感謝の気持ちを表現しましょう。
お返しを贈る場合の「のし」の正しい書き方
会社からの新築祝いにお返し(内祝い)を贈ることを決めたなら、次に重要になるのが贈答品にかける「のし(熨斗)」の正しいマナーです。
のしは、日本の伝統的な贈答文化の象徴であり、相手への敬意や気持ちを正式に伝えるための大切な要素です。
間違ったのしを選んだり、書き方を誤ったりすると、せっかくの感謝の気持ちが正しく伝わらないばかりか、失礼にあたる可能性もあります。
ここでは、新築内祝いにおけるのしの書き方を具体的に解説します。
水引の選び方
新築祝いのお返しに用いる水引は、「紅白の蝶結び(花結び)」が正解です。
蝶結びは、何度でも結び直せることから、「何度あっても喜ばしいお祝い事」に使われます。
新築や出産、長寿祝いなどがこれにあたります。
一方で、結婚祝いや快気祝いなどで使われる「結び切り」は、一度結ぶと解けないことから「一度きりであってほしい事柄」に用いられます。
新築内祝いに結び切りを使うのはマナー違反ですので、絶対に間違えないようにしましょう。
表書きの書き方
のしの上段、水引の中央部分を「表書き(おもてがき)」と呼びます。
ここには、贈り物の目的を記します。
新築祝いのお返しの場合、一般的には以下のいずれかを書きます。
- 内祝:最も一般的で広く使われる表書きです。
- 新築内祝:より具体的に新築のお祝いに対するお返しであることを示します。
- 御礼:お祝いに対する感謝の気持ちをストレートに表現する際に使います。
どれを選んでも間違いではありませんが、「内祝」が最も無難で丁寧な印象を与えます。
名入れの書き方
のしの下段、水引の結び目の下には、贈り主の名前を記します。
ここには、新しい家の世帯主の姓(苗字)のみ、または姓名(フルネーム)を記載するのが一般的です。
夫婦連名にする場合は、中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前のみを記します。
表書きよりも少し小さめの文字で書くと、全体のバランスが美しく見えます。
また、お披露目を兼ねて、名前の右横に新しい住所を小さく記載することもありますが、これは必須ではありません。
筆記用具は、毛筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。
濃い墨ではっきりと丁寧に書きましょう。
ボールペンや万年筆で書くのは避けましょう。
最近では、購入店で名入れサービスを行っている場合も多いので、字に自信がない方は利用するのも良いでしょう。
感謝の気持ちを伝えるお礼状の書き方とタイミング
新築祝いを会社からいただいた際、品物でのお返し(内祝い)も大切ですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、感謝の気持ちを伝える「お礼状」です。
特に、お返しが不要な福利厚生の場合や、高額なお祝いをいただいた場合には、丁寧なお礼状を送ることで、より深く感謝の意を表現できます。
ここでは、お礼状の書き方のポイントと、送るべき適切なタイミングについて解説します。
お礼状を送るタイミング
お礼状を送るタイミングは、早ければ早いほど良いとされています。
理想的なのは、お祝いをいただいてから2~3日以内、遅くとも1週間以内には相手の手元に届くように手配することです。
時間が経つほど、感謝の気持ちが薄れているような印象を与えかねません。
もし、内祝いの品物を贈るのに時間がかかる場合でも、まずはお礼状だけを先にお送りし、感謝の気持ちを速やかに伝えましょう。
その際、「内祝いの品は別途お送りいたします」と一言添えておくと、より丁寧な印象になります。
お礼状に含めるべき内容
お礼状は、形式にとらわれすぎず、自分の言葉で感謝の気持ちを綴ることが大切ですが、基本的な構成要素を押さえておくと、スムーズに書くことができます。
- 頭語と結語:「拝啓」と「敬具」など、手紙の基本的な形式を用います。
- 時候の挨拶:季節に合った挨拶文を入れます。「陽春の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます」など。
- お祝いへのお礼:いただいたお祝いに対する感謝の言葉を具体的に述べます。「この度は、新築に際しまして結構なお祝いを賜り、誠にありがとうございました。」
- 新生活の抱負や近況:新しい家での生活の様子や今後の抱負などを簡潔に記します。「おかげさまで快適な新生活をスタートさせております。これを機に、仕事にも一層邁進してまいりたいと存じます。」
- 今後の厚情を願う言葉:「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」
- 結びの挨拶:相手の健康や会社の発展を祈る言葉で締めくくります。「末筆ではございますが、皆様のご健勝と貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。」
お礼状の例文
実際に使える例文を以下に示します。
これを参考に、ご自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。
「拝啓
風薫る季節となりましたが、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は、私どもの新築に際しまして、心温まるお祝いの品を賜り、誠にありがとうございました。
〇〇部一同の皆様の温かいお心遣いに、心より感謝申し上げます。
新しい住まいは日当たりも良く、家族ともども快適な毎日を過ごしております。
この新しい環境で心機一転、仕事にもより一層励んでいく所存です。
今後とも変わらぬご指導を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして、御礼申し上げます。
敬具」
手書きで丁寧に書かれたお礼状は、印刷されたものよりも気持ちが伝わります。
感謝の心を込めて、丁寧な一枚を仕上げましょう。
新築祝い会社からの贈り物で知っておきたいこと
- ➤会社からの新築祝いは課税対象になるのか解説
- ➤社長個人から頂いた場合の適切な対応方法
- ➤お返しにおすすめの品物と避けるべき品物
- ➤職場一同へお返しする際のポイントと注意点
- ➤新築祝い会社からもらったらまずはお礼を伝えよう
会社からの新築祝いは課税対象になるのか解説
新築祝いを会社から現金や品物でいただいた際、ふと「これは自分の所得として扱われるのだろうか」「税金はかかるのだろうか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
特に、高額なお祝いをいただいた場合には、税務上の扱いが気になるところです。
結論から言うと、社会通念上相当と認められる範囲の慶弔見舞金は、原則として非課税所得となり、所得税はかかりません。
非課税となる根拠
日本の所得税法では、課税対象となる所得の種類が定められています。
給与所得や事業所得などがその代表例です。
一方で、特定の所得については、政策的な配慮などから課税しない「非課税所得」として扱われます。
会社から従業員へ支払われる結婚祝金や香典、災害見舞金といった慶弔見舞金は、この非課税所得の一種とされています。
これは、これらの金品が個人の所得というよりも、社会的な慣習に基づいて贈られるものであり、担税力(税金を負担する能力)を増加させるものではない、と考えられているためです。
新築祝いもこの慶弔見舞金に該当するため、基本的には課税の心配は不要です。
「社会通念上相当」の範囲とは
ただし、非課税となるのは、あくまで「社会通念上相当と認められる金額」の範囲内です。
この「社会通念上相当」という表現は少し曖昧ですが、要するに、常識的に考えて妥当な金額であれば問題ない、ということです。
明確な上限額が法律で定められているわけではありませんが、国税庁の見解では、その従業員の地位や会社の規模、他の従業員への支給額とのバランスなどを考慮して個別に判断される、とされています。
一般的な目安としては、数万円から10万円程度であれば、まず問題になることはないでしょう。
例えば、役員でもない一般社員に対して、会社から数百万円といった新築祝いが贈られた場合、それは単なるお祝いではなく、給与や賞与の一部(給与所得)と見なされ、課税対象となる可能性があります。
しかし、通常の企業でそのような高額な祝い金が支給されるケースは極めて稀です。
品物でいただいた場合
現金ではなく、品物(記念品やギフトなど)で新築祝いをいただいた場合も、扱いは同じです。
その品物の時価が社会通念上相当な金額であれば、非課税となります。
高価な調度品や家電などをいただいた場合も、常識の範囲内であれば課税を心配する必要はありません。
まとめると、新築祝いを会社からいただいたとしても、その金額が一般的な相場の範囲内であれば、税金の心配をする必要はまずありません。
安心して、お祝いの気持ちをありがたく受け取りましょう。
社長個人から頂いた場合の適切な対応方法
会社からの新築祝いには、会社名義で贈られるものの他に、「社長個人」の名前で贈られるケースがあります。
この場合、会社からの福利厚生や慶弔費とは全く性質が異なるため、対応にはより一層の配慮が必要です。
社長個人からのお祝いは、上司や目上の方からの個人的な贈り物と捉え、失礼のないよう丁寧に対応することが求められます。
お返し(内祝い)は必ず準備する
社長個人からいただいたお祝いに対しては、お返し(内祝い)を贈るのが必須のマナーです。
「会社から」ではないため、福利厚生という考え方は当てはまりません。
個人的なお心遣いに対しては、個人的に感謝の気持ちを形にしてお返しするのが礼儀です。
お返しをしないのは、マナー違反と受け取られかねませんので注意しましょう。
お返しの相場とタイミング
目上の方へのお返しの相場は、いただいたお祝いの金額や品物の価格の「3分の1」から「半額(半返し)」が一般的です。
特に、社長という立場の方に対しては、半返しでは多すぎると感じさせてしまう可能性もあるため、3分の1程度に抑えるのがより丁寧で控えめな印象を与えます。
例えば、3万円のお祝いをいただいたのであれば、1万円程度の品物をお返しとして選ぶと良いでしょう。
お返しを贈るタイミングは、お祝いをいただいてから1ヶ月以内が目安です。
あまり遅くならないように気をつけましょう。
品物には、前述したマナーに沿って「内祝」や「御礼」と記したのしをかけ、社長のフルネームを宛名にして贈ります。
品物選びのポイント
社長個人へのお返しは、品物選びも重要です。
相手の好みやライフスタイルを考慮しつつ、上質で品のあるものを選ぶことが大切です。
以下のような品物が好まれます。
- 上質なカタログギフト:相手に好きなものを選んでもらえるため、失敗がありません。
- 高級な食品や飲料:老舗の和菓子や洋菓子、有名ブランドのジュースやコーヒー、高級な調味料セットなどは、家族にも喜ばれるでしょう。
- 質の良いタオルギフト:今治タオルなど、国産の高品質なタオルは実用性も高く、贈り物として定番の人気があります。
- 胡蝶蘭などの格式高い花:特に社長のような役職の方には、見た目も華やかで「幸福が飛んでくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭がおすすめです。品格があり、どのようなお祝いのシーンにもふさわしい贈り物と言えます。
反対に、現金や商品券、履物(靴下など)、筆記用具などは「もっと勤勉に働きなさい」といった意味合いに取られる可能性があり、目上の方への贈り物としては避けるべきとされています。
感謝の気持ちを伝えるお礼状を品物に添えてお渡しすると、より一層丁寧な印象になります。
社長への対応は、今後の職場での関係性にも影響する可能性があります。
心を込めて、慎重かつ丁寧に対応しましょう。
お返しにおすすめの品物と避けるべき品物
新築祝いのお返し(内祝い)を選ぶ際、「何を贈れば喜んでもらえるだろうか」と悩むのは当然のことです。
特に会社関係の方へ贈る場合は、相手の好みだけでなく、職場の慣習やマナーも考慮する必要があります。
ここでは、会社への内祝いとしておすすめの品物と、避けた方が良い品物について具体的にご紹介します。
お返しにおすすめの品物
会社への内祝いの基本は、「消えもの」と呼ばれる、消費してなくなるものが好まれます。
形に残るものは相手の好みに合わない可能性や、置き場所に困らせてしまう可能性があるためです。
また、職場一同へ贈る場合は、個包装されていて分けやすいものが喜ばれます。
1. 個包装のお菓子
クッキーやフィナンシェ、マドレーヌといった焼き菓子の詰め合わせは、内祝いの定番です。
個包装されていれば、社員一人ひとりが好きなタイミングで手を付けやすく、衛生的でもあります。
少し高級感のあるデパ地下のブランドや、地元で評判のお店のものを選ぶと特別感が演出できます。
2. ドリンク類のセット
コーヒーのドリップバッグや、様々な種類の紅茶のティーバッグ詰め合わせなども人気です。
仕事の合間の休憩時間に楽しんでもらえる実用的なギフトと言えるでしょう。
お酒を飲む方が多い職場であれば、小瓶のビールの詰め合わせなども選択肢になります。
3. カタログギフト
社長個人や特にお世話になった上司など、個別にお返しを贈る場合に最適です。
相手に好きなものを選んでもらえるため、好みがわからない場合でも失敗することがありません。
最近では、グルメに特化したものや、体験型ギフトが選べるものなど、多種多様なカタログギフトがあります。
4. 胡蝶蘭
社長や役員など、特に格式を重んじる相手への贈り物として、胡蝶蘭は非常におすすめです。
見た目の豪華さと気品に加え、「幸福が飛んでくる」という縁起の良い花言葉を持っています。
お祝いの気持ちを格調高く表現できるため、どのようなシーンでも間違いのない贈り物です。
オフィスのエントランスなどに飾ってもらうことで、空間を華やかに彩ることもできます。
お返しとして避けるべき品物
一方で、内祝いの品物として選ぶべきではない、縁起が悪いとされるものも存在します。
知らずに贈ってしまうと、マナーを知らないと思われてしまう可能性もあるため注意が必要です。
1. 刃物類(包丁、ハサミなど)
「縁を切る」ことを連想させるため、お祝い事の贈り物には不向きとされています。
2. ハンカチ
漢字で「手巾(てぎれ)」と書くことから、「手切れ」を連想させ、別れの意味合いを持つとされることがあります。
3. 履物、敷物(スリッパ、マットなど)
「相手を踏みつける」という意味合いに取られる可能性があるため、特に目上の方への贈り物としては避けるべきです。
4. 日本茶
香典返しなど、弔事で使われることが多いため、お祝いのお返しにはふさわしくないとされています。
これらの品物は、実用的であっても、縁起を担ぐ意味合いから避けるのが無難です。
相手に喜んでもらえるよう、心を込めて最適な一品を選びましょう。
職場一同へお返しする際のポイントと注意点
新築祝いを「〇〇部一同」といった形で、部署やチームのメンバーから連名でいただくことは非常によくあるケースです。
この場合、一人ひとり個別にお返しをするのではなく、まとめて一つのお返しを贈るのが一般的です。
しかし、その際にはいくつか押さえておくべきポイントと注意点があります。
感謝の気持ちが全員にしっかりと伝わるような、スマートな対応を心がけましょう。
お返しの予算の考え方
まず、お返しの予算を決めます。
基本的な考え方は、いただいたお祝いの総額の3分の1から半額程度です。
例えば、20人の部署から合計2万円のお祝いをいただいた場合、お返しの予算は7,000円から1万円程度が目安となります。
いただいた金額を単純に人数で割って一人あたりの金額を算出し(この例では1,000円)、その半額(500円)程度の品物を人数分用意するという考え方もありますが、全員で分けられる一つの品物を贈る方が、手間もかからず、受け取る側も負担に感じにくいでしょう。
品物選びの重要ポイント
職場一同へのお返しで最も重要なのは、「分けやすさ」です。
以下の点を考慮して品物を選びましょう。
- 個包装されていること:一人ひとりが手に取りやすく、好きなタイミングで食べられます。
- 人数の確認:部署の人数よりも少し多めの個数が入っているものを選ぶと安心です。
- 日持ちがすること:すぐに消費しなくても良いように、賞味期限が長いものを選びましょう。
- 常温で保存できること:冷蔵や冷凍が必要なものは、職場の冷蔵庫を圧迫してしまうため避けるのが無難です。
- 食べる際に手間がかからないこと:切り分ける必要のあるケーキや、お皿やフォークが必要になるものは避けましょう。
これらの条件を満たすものとして、やはりクッキーやフィナンシェなどの焼き菓子の詰め合わせや、おかき・おせんべいの詰め合わせが最適です。ドリップコーヒーやティーバッグのセットも良い選択肢です。
お返しを渡すタイミングと渡し方
お返しを渡すタイミングは、職場の皆さんが集まりやすいお昼休みや、終業後などが適しています。
部署の代表者(部署長など)に、「皆様で召し上がってください」と一言添えてお渡しするのが丁寧です。
あるいは、休憩スペースなどの共有スペースに「皆様へ」というメモを添えて置いておく方法もあります。
渡す際には、必ず感謝の言葉を直接伝えることが大切です。
「先日は、心のこもった新築祝いをいただき、誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、感謝の気持ちです。
どうぞ皆様で召し上がってください」といったように、全員に向けてお礼を述べると良いでしょう。
一人ひとりの顔を見て感謝を伝えることで、より気持ちが伝わります。
全員への配慮を忘れず、心のこもった対応をすることが、今後の円滑な職場関係に繋がります。
新築祝い会社からもらったらまずはお礼を伝えよう
これまで、新築祝いを会社からいただいた際の様々なマナーや対応方法について解説してきました。
お返しが必要かどうか、相場はいくらか、どんな品物を選ぶべきかなど、考えるべきことはたくさんあります。
しかし、それらの具体的な行動を起こす前に、何よりもまず優先すべき最も大切なことがあります。
それは、お祝いをいただいたら、できるだけ速やかに感謝の気持ちを伝えることです。
「ありがとう」はスピードが命
お祝いを贈ってくれた側は、「無事に届いただろうか」「喜んでくれただろうか」と気にしているものです。
連絡がないままだと、相手を不安にさせてしまうかもしれません。
お祝いを受け取ったら、可能な限りその日のうちに、遅くとも翌日には、まずはお礼の連絡を入れましょう。
この最初の一報が、相手への最大の配慮であり、社会人としての基本的なマナーです。
お返しの品物選びに時間がかかってしまい、連絡が遅くなるのは本末転倒です。
内祝いの準備は後からで構いません。
まずは「いただきました、ありがとうございます」の一言を伝えることを最優先してください。
お礼を伝える方法
お礼を伝える方法は、相手や状況によって使い分けるのが理想です。
・直接会って伝える
社長や直属の上司から直接手渡しでいただいた場合は、その場で満面の笑みとともにお礼を述べるのが一番です。
後日、改めて部署のメンバーの前でお礼を述べるのも良いでしょう。
・電話で伝える
直接会うのが難しい方や、社長など役職が高い方からいただいた場合は、まず電話で一報を入れるのが丁寧です。
声で直接感謝を伝えることで、気持ちがより伝わりやすくなります。
・メールで伝える
「部署一同」など、複数人からいただいた場合は、部署のメーリングリストなどを利用して、まずはお礼のメールを送るのが効率的かつ確実です。
もちろん、その後、直接会った際にも改めてお礼を伝えるのが望ましいです。
メールでは、「拝受しました」という報告と、感謝の気持ちを簡潔に伝えましょう。
感謝の気持ちがすべての基本
新築祝い会社からいただくという行為の裏には、あなたの新しい門出を祝う温かい気持ちがあります。
その気持ちに対して、まず誠実に「ありがとう」と応えること。
このシンプルな行為が、すべてのマナーの基本であり、最も大切なことです。
お返しの品物や金額、のしの書き方といった形式的なマナーももちろん重要ですが、それらはすべて、この感謝の気持ちを表現するための手段に過ぎません。
まずは、いただいたお祝いへの感謝を、自分の言葉で、迅速に、そして誠実に伝えることから始めましょう。
それが、職場で良好な人間関係を築き、気持ちよく新生活をスタートさせるための第一歩となるでしょう。
- ➤新築祝いを会社から頂いたらまず福利厚生か確認する
- ➤福利厚生ならお返しは原則不要で感謝の言葉を伝える
- ➤有志や会社からの慶弔費ならお返しをするのがマナー
- ➤お返しの相場は頂いた額の3分の1から半額が目安
- ➤お返しには個包装のお菓子など分けやすい消えものが最適
- ➤職場一同へは全員に行き渡る菓子折りなどが喜ばれる
- ➤社長個人へのお返しはより上質で丁寧な品選びを心がける
- ➤目上の方への贈り物には格式高い胡蝶蘭もおすすめ
- ➤胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という縁起の良い花言葉を持つ
- ➤お返しの「のし」は紅白の蝶結びで表書きは「内祝」が一般的
- ➤感謝の気持ちを伝えるお礼状を添えるとより丁寧な印象になる
- ➤会社からの常識的な範囲の新築祝いは非課税で税金の心配は不要
- ➤刃物や履物など縁起の悪い品物はお返しに選ばないよう注意
- ➤何よりもまずはお祝いを頂いたら迅速にお礼を伝えることが最重要
- ➤正しいマナーで感謝を伝え円満な職場関係を築く